設計の自由度を向上するためのポイント

避難安全検証法のメリットのひとつとして挙げられることの多い「設計の自由度の向上」について、NBCが提言いたします。

従来通りの設計にそのまま避難安全検証法を採り入れるだけでは、設計の自由度は必ずしも向上しません。

「避難安全検証法を使えば自由度の高い設計が可能になると聞いていたのに、かえって制限が多くなってしまった」設計者のみなさまからこんな不満を聞くことがあります。
避難安全検証法のメリットのひとつとして「設計の自由度の向上」があげられますが、常にそうだとは言えないのです。

避難安全検証法を用いて設計する場合には、従来の設計(仕様設計)とは違う注意点があります。従来通りのやり方ではかえって制約が多くなり、設計の自由度が低下してしまうことが多々見られます。
避難安全検証法がよく用いられるスーパーマーケットやドラッグストアといった「物販店舗」を例として考えてみましょう。一般に物販店舗では、避難安全検証法を利用して、排煙窓の削減(中止)、防煙垂壁の削減(中止)、歩行距離の適用除外、屋外への出口幅の削減、階段幅の軽減、等がなされます。その主たる目的は、建築コストの削減で、設計の自由度についてはあまり考慮されていないのが現状です。

そもそも、避難安全検証法の理念は「煙に曝される事なく避難が完了する」ことです。そして告示1441号にはその理念に応じた安全性能を確認するための計算方法が定められています。
告示の計算が簡単にできるソフトなども開発されており、いくつかの検証サービス会社・設計者がそれらを使って計算・検証を行っていますが、その多くは、法律の意味自体を理解せず、計算結果が基準を満たしさえすれば問題なしとしてしまっているように思われます。しかも、告示に示された検証方法は完全ではなく、いろいろと問題点があります。設計者は本来、問題点も含めて理解した上で、法の理念である「煙に曝される事なく避難が完了する」に則った設計をしなくてはいけません。また、審査機関も、法律の言葉尻を捉えたチェックに陥るだけであっては、真に安全な建物を作ることはできません。
NBCでは常にそうした視点から避難安全検証法の理念を踏まえ、そのメリットを最大限生かす設計を提案しています。

さて、避難安全検証法の利用でかえって制約が大きくなる具体例をいくつか挙げてみましょう。

小さな部屋の天井高さを高くしなくてはならない?!

建築基準法では、「居室の天井高さは2,100mm、排煙窓は天井から80cm以内に室面積の1/50以上の開口を設けること」と定められています。ところがこの条件に従った設計では、避難安全検証法の検証基準を満たす結果は出せません。
また告示1436号には「室面積が100m2以下で内装不燃ならば無排煙で良い」とされていますが、避難安全検証法を用いると、室用途や面積によっては天井高さを2,700mm程度まで高くしないと検証をクリアしなくなってしまうことがあります。告示1441号の計算式では、煙発生量を出火時から一定とするため(定常火災)、蓄煙体積の小さな室では煙降下時間が極端に短く算定されてしまうからです。

避難経路となる廊下に面する扉は「防火設備」でなくてはならない?!

避難安全検証法では基本的に、(1)火災が発生した室の在室者がその火災による煙に曝されずに室外に出られるか否か=【居室検証】(2)火災が発生した室以外の在室者が火災の発見が遅れ避難を開始しても、その火災による煙に曝されずに階の出口に出られるか否か=【階検証】の2段階のチェックを行います。また、避難は「居室」→「廊下」→「階の出口」と行われることが前提とされます。従って、火災室から伝搬してきた煙の降下時間よりも、階の出口が設置された室での避難時間が短く算出されなくては検証をクリアできません。
そのため、廊下の蓄煙体積が非常に大きいものでもないと、火災室の廊下に面する開口部は「防火設備」にする必要が生じます。これは新建築防災計画指針の第1次安全区画としての構造に誘導されるようになっているのです。
仕様設計であれば「その他扉」でも法的に問題ないものを、避難安全検証法では「防火設備」にしなければならない。これは大きな制約だといえるでしょう。

階の出口の数、設置位置が不適切?!

例えば、2方向避難が不要な規模で、階段への出口が1箇所しかなく、その出口が火災室に設置されている建物の場合、最も危険な状況を想定する避難安全検証法では、火災時には唯一の出口が使えなくなってしまうと考えるため、階の避難終了時間は∞(無限大)と算出されてしまいます。ここまでくると「避難安全検証法は使えない!」と言わざるを得ません。

では、避難安全検証法の「設計の自由度の向上」というメリットを得るにはどうすればよいのでしょうか?NBCが考える、押さえておくべきポイントは次の通りです。

  • メリットを十分に享受できる用途・規模を見極める
  • 避難安全検証法による制約を受けにくい設計をする
  • 積載可燃物の発熱量・在室者密度等、室名にとらわれることなく、実際の使用条件に合わせた設定を考える
  • 設計内容に応じてルートC(大臣認定)で進める事を考える。大臣認定は時間と費用がかかりますが、ルートBと比較すると制約は少なくすることができます。

いかがでしょうか?
NBCは、これらのポイントはもちろん、全国1,500件の豊富な実績と確かな経験に基づく様々なご提案で、より効果的な設計をお手伝いいたします。

避難安全検証法の理念を踏まえ、建築コスト削減、設計自由度の向上等、
メリットを最大限得られる設計を!
ぜひ、NBCにご相談ください。ご連絡お待ちしております。
Tel:078-332-4107

ページ上部へ