FAQ

よくある質問

Q.法律に明示されていない事項についてA審査機関に相談すると、ある会社のホームページを紹介され、その記載内容に従うように指導されました。しかし、納得できないところがあり、再度、A審査機関に説明を求めましたが、その会社は有力な筋からの情報で書いているらしいので間違いないだろうという答えしか返ってきません。いみじくも法律の解釈を他人任せにし、一企業の情報に左右されるA審査機関の姿勢に不安を感じます。審査機関を変える方がよいでしょうか?
A.はい、審査機関の変更をおすすめします。
法律の解釈については、確かに難しく、いろいろな考え方があるのが現状です。しかし、ご質問のA審査機関の態度はあまりにも不誠実で、法律を扱う機関として信頼性に欠け、正しい判断をされているとは思えません。信頼できる審査機関を選びましょう。
Q.審査機関とはなんですか?何を審査しているのですか?
A.審査機関、正式には「指定確認検査機関」は、建築基準法に基づき、建物の新築・増改築時に、建物が安全な技術基準を満たしているか、着工前に設計図面等をチェックし確認する手続き(確認検査業務)を行っています。
平成11年5月1日に施行された改正建築基準法により、それまで特定行政庁の建築主事だけが行なってきた確認および検査業務について、新たに必要な審査能力を備える公正な民間機関が行なうことができるようになりました。建築確認や検査を、建築主事と指定確認検査機関のどちらに申請するかは申請者の選択となります。
こちらで全国の審査機関が検索できます。「都道府県別指定確認検査機関一覧」
Q.審査機関にはどんな種類がありますか?
A.国交大臣指定や都道府県知事指定や各地方整備局長指定の検査機関があります。そういったこととは別に、避難安全検証法に関しては、法律自体がまだまだ発展途上ともいえるためか、審査機関によって、また地域によって、あるいは各担当者によっても解釈にばらつきがあるのが現状です。
Q.NBC代表取締役 九門宏至著 「避難安全検証法 設計実務ハンドブック--性能設計で変わる建築設計の実務」は一般の書店には置いていないのですか?
A.現在絶版となっており、一般の書店では購入が困難な状況です。NBCでは在庫を用意しておりますので、こちらからお問い合わせください。(本体価格3,500円+税+送料をご負担いただきます。)
Q.スーパーマーケットの開発部門に勤めているのですが、他社の店舗で避難安全検証法を使ったという話をよく耳にするようになりました。従来の設計方法と比べてどんなところ が変わるのですか?
A.避難安全検証法を用いると、まず、防災設備が減らせます。例えば、排煙窓や防煙垂壁の設置を中止することができます。それによって、スーパーマーケット等の店舗では、天井の目障りな垂壁や、壁際の邪魔な排煙窓が無くなり、POP等が掲示しやすくなります。また、建設工期の短縮や費用削減が実現できます。  ※参考「建築防災設計による効果」  
避難安全検証法を適用するには、これまでの設計とは違った部分で工夫が必要となります。ぜひ弊社のコンサルティングをご利用ください。基本設計から申請書作成までお手伝いさせていただきます。

こちらもぜひご一読ください「基本設計プランを見直して建築コスト削減」

Q.避難安全検証法はどういった建物に使えますか?逆に、使えない建物は?
A.建物に避難安全検証法を適用するためには、次の2つの条件を満たす必要があります。
1.自力で避難可能な健常者が利用する建物であること
避難安全検証法は、建物に居る者全員が自力で避難することを前提としています。
従って、病院や福祉施設など、自力で避難することが厳しいと思われる者が利用する建物には、避難安全検証法の適用は困難です。

2.主要構造部建物の主要構造部が不燃材料、または、準耐火構造以上の耐火性能を持つ建物であること
言い換えれば、主要構造部建物の主要構造部が不燃材料、または、準耐火構造以上の耐火性能を持たない建物には、避難安全検証法は使えません。

<参考>「避難安全検証法が有効でない建物について」
Q.ある現場の所長をしています。現場に入って実行予算書を作ってびっくり、予算が足りません。何とかコスト削減したいのですが、下請けをたたいての減額には限界があります。避難安全検証法を用いれば防災設備の削減が可能と聞いた事があるのですが本当ですか?また、工事を着手してからの設計変更も可能でしょうか?また、その手続きはどうすればいいでしょうか?
A.避難安全検証法を利用すると、排煙設備の削減や垂壁の削減、用途によっては階段を中止することも可能なので、建設コストの削減や、工期の短縮が可能になります。※参考記事現場所長のメリット
着工後の変更も可能ですが、変更申請を行いますので設計者さんの協力も必要になります。
ぜひ弊社のコンサルティングをご利用ください。基本設計から申請書作成までお手伝いさせていただきます。

こちらもぜひご一読ください「基本設計プランを見直して建築コスト削減」

Q.避難安全検証法を適用すると、実際のところ、建築費用はどのくらい下げられるのでしょうか?
A.避難安全検証法による適用除外項目によると考えてください。
例えば、126条の排煙設備規定を適用除外し、建物の排煙設備の一つである排煙窓(外倒し窓)を減らせたとしましょう。排煙窓そのものの価格、および、設置にかかる工事費等のコストダウンが見込めることになります。
ぜひこちらもご覧ください。「建築防災設計による効果」
Q.意匠設計事務所に勤めているのですが、お客様から避難安全検証法を検討して欲しいと依頼されました。しかし、知識・経験がなく、必要な手続きがわかりませんし、計算方法もよくわかりません。避難安全検証法による申請書作成をしてくれる会社はありませんか?
A.ぜひ弊社のコンサルティングをご利用ください。基本設計から申請書作成までお手伝いさせていただきます。

こちらもぜひご一読ください「会社案内/代表者 九門宏至の想い」

Q.建物を建てるまでの一連の流れとNBCの担っている部分を教えてください
A.図をご覧ください。黄色く塗られた「防災設計」がNBCの立場です。建物の設計の中心に位置し、デザインにも大きく関わる位置にあることがお分かりいただけるでしょう。

こちらもご覧ください。「避難安全検証法を活用した真に安全・安心な建築設計」

Q.先日NBCに検討をお願いした設計者です。スーパーマーケットの計画で、バックヤードに通ずる扉は全て防火設備(1号)にする必要があるとご意見をいただきました。しかし、過去の同じような物件では防火設備になっていません。その物件を計算した他の防災コンサル社に問合せたところ、バックヤードから直接屋外に通ずる扉をなくせるよう前室を設置すれば扉を防火設備にする必要はないとの回答でした。NBCの検証結果は少し厳しすぎるのではないでしょうか?
A.確かに、他社様のご回答のように前室を設置すれば防火設備にしなくても法律上、検証計算はクリアすることができます。しかし、それでは避難者は前室の手前で煙に巻かれる恐れが生じ、結果的にたいへん危険な設計になってしまいます。法律上クリアしているのだからOKとするか、真の安全性能が得られなければならないとするか。ここは設計者様と建主様のご判断になると思います。やや厳し過ぎるように感じられるかもしれませんが、NBCは建物利用者の安全を最優先に考えたいと思います。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

Q.防災計画書とは?また、防災評定とは?
A.「防災計画書」とは、対象建築物の計画が建築基準法の防災関連規定や消防法に適合していることのほか、個別の建築条件を考慮し、総合的に安全性を有している建物であることを示す計画書です。
高層建築物や不特定多数の人が利用する大規模な建築物、複合用途の大規模な建築物において安全性を確保するため、防災性能について総合的に検討し作成することが重要です。また、防災計画書の作成や評定は地方自治体に一任されており、各自治体により作成方法や評定取得方法が異なります。
「防災評定」は防災計画書を評議することです。自治体によっては防災協議とも言っています。
Q.全館安全避難検証法と階避難安全検証法の違いはどういうところでしょうか?
A.「建物の検証範囲」に主な違いがあります。
全館避難安全検証法が、「建物全体」の安全性能を検証しているのに対して、階避難安全検証法は「階全体」の安全性能を検証しています。
他にも、全館避難検証法は建物の全ての階に同じ検証法を用いるよう定めているのに対して、階避難安全検証法は同じ建物の階ごとに異なった検証方法を用いることができるといった違いがあります。
こちらもご参考にどうぞ「性能規定について/(4)階避難安全検証法と全館避難安全検証法」
Q.スーパーマーケットの排煙設備をなくしたいと思います。階避難安全検証法を適用することでなくせるかと消防署に問合せましたが、無理だと言われました。なぜでしょうか?
A.スーパーマーケット等の物販店は、消防法上『有窓階(床面積の1/30の開口を有する)でなければ消防法が定める排煙設備を設置する必要がある』とされています。避難安全検証法はあくまでも建築基準法の一部です。従って、避難安全検証法を適用しても、消防法で定める規定を適用除外にすることはできません。ご質問の建物は『消防法上の有窓階』になっていないのではないでしょうか?※参考避難安全検証法(ルートB)が有効でない建物について
Q.3階建の住宅に全館避難安全検証法を適用して竪穴区画の免除を受けたいのですが、居室計算をクリアできず困っています。どうすればよいですか?
A.住宅の場合、避難安全検証法(ルートB)による居室計算では竪穴区画免除のクリアは非常に困難です。これは告示1441号の計算の前提となっている積載可燃物の発熱量が大きいことと、室の天井高さが低いことによります。従って、ルートBの全館避難安全検証法(ルートB)を使って竪穴区画の適用除外を受けることは現実的な選択ではありません。どうしても竪穴区画適用除外を受けたいのであれば、大臣認定(ルートC)による対応が必要となります。

こちらもぜひご一読ください「ルートCの高度な技法をルートBにも活かし、真に安全な建物作りをサポート」

Q.2階建ての工場の計画で、1階(避難階)の居室の部分から屋外までの歩行距離が基準法の規定長さを超えてしまいました。そこで階避難安全検証法を適用して歩行距離長さの適用除外を受けようと審査機関に相談に行ったところ、全館避難安全検証法によらなければならないと言われました。2階の直通階段までの歩行距離の場合は階避難安全検証法で適用除外になるのに、1階ではどうしてできないのでしょうか。
A.避難階とそれ以外の階では大きな違いがあるためです。まず、避難階以外の階の歩行距離は直通階段までの歩行距離については令120条により、階避難安全検証法で適用除外が可能です。ところが避難階の屋外までの歩行距離については令125条1項で、全館避難安全検証法によらなければ適用除外にできないとあります。
※参考「避難安全検証法適用除外される避難関係規定」
これは、避難階では上階からの避難者がいるので、上階からの避難者も含めて煙に曝されず安全に避難できる必要があるためです。
Q.地方ゼネコンの積算を担当しています。地元の工場から建物の増築の設計及び工事を依頼され、現地を確認したところ、避難安全検証法を用いて排煙設備の適用除外を受けていることがわかりました。そこで、以前設計を担当した大手建設会社に、当時の避難安全検証法書類をお借りできないか、できれば増築部分の計算もお願いできないかと尋ねたところ、断られてれてしまい困っています。相談に乗ってもらえるところはありますか?またどの程度の費用がかかるものでしょうか。
A.弊社のコンサルティングを通じてご相談ください。基本設計から申請書作成までお手伝いさせていただきます。費用につきましては図面を提示して頂ければ御見積いたします。また、弊社では、お取扱いした物件の計算情報は、ご要望があれば、建主様に無償でお渡しいたします。将来の増築・改築の際に必要な資料となりますので、確認申請書類と一緒に大切に保管してください。

こちらもぜひご一読ください「増改築の際も安心のアフターフォロー」

Q.家電メーカーの営繕を担当しています。会社の命で既存建物の建築基準法上の違反がないか?ある場合は是正措置をとるように言われたので調べたところ、何もチェックせずに増築や間仕切りの追加をしてきた結果、排煙が取れていない室や、歩行距離が基準を超えている部分が沢山あり、増築された建物を壊さないと違反が是正できない部分があり困っています。避難安全検証法を用いれば、排煙や歩行距離の適用除外ができるとありますが、既存建物でも利用できますか?
A.はい、利用可能です。ただし、避難安全検証法の計算をクリアするようにしないといけないので、単純に計算をすればOKというわけではなく、様々な工夫が必要です。既存不適格建築物の増改築について  ぜひ弊社のコンサルティングをご利用ください。
Q.大手スーパーの内装管理をしているのですが、避難安全検証法を用いた店舗のテナントさんの大規模入れ替えを行います。各テナントさんのリースラインを決定し、内装図面を見たところ、現状の間仕切り壁の位置とは大きく違うところがあり、これはもしかして避難安全検証法のやり直し?と思い設計者に確認したところ、確認申請が必要な増改築ではないので、避難安全検証法のやり直しは必要ないと言われました。本当でしょうか?間仕切り位置まで変わる部分もあり心配です。
A.設計者さんの言われる通り確認申請が必要な増改築ではないのであれば、避難安全検証法の再申請は必要ありません。しかし、心配されているように、間仕切り変更によって検証がクリアしない部分があるかもしれませんし、その場合はしかるべき対策を取る必要があります。正しくは避難安全検証法の再チェックは行い、問題がないことを説明した書類を作成・保管しておき、建築物の定期検査の際、検査員に示す必要があります。またこの資料は将来の確認申請が必要な増築や改築を行う際の重要な資料となります。
弊社では、お取扱いした物件の計算情報は、ご要望があれば、建主様に無償でお渡しいたします。将来の増築・改築の際に必要な資料となりますので、確認申請書類と一緒に大切に保管してください。

こちらもぜひご一読ください「増改築の際も安心のアフターフォロー」

Q.古い建物の特定天井の撤去工事をしたいのですが、天井を撤去すると、排煙窓の構造基準から外れてしまい建築基準法上は排煙が取れていない事になってしまうことがわかりました。元の天井裏は露出となり天井高さも高く取れるので避難安全検証で排煙設備の適用除外を受けたいと思いますが、可能でしょうか?
A.検証計算がクリアできるのであれば可能です。ぜひ弊社のコンサルティングをご利用ください。

こちらもぜひご一読ください「設計の自由度を向上するためのポイント」

Q.一部審査機関より、風除室と風除室が設置される室を一体とするにはパニックオープンの扉が必要だと指摘されました。以前は必要とされなかったように思うのですが、どうなのでしょうか?
A.これは審査機関によって対応が異なります。パニックオープンが必要と指摘されるとこともあれば、条件付でなくてもOKとされることもあります。同じ審査機関でも、担当者によっていろいろな考え方があり、対応がまちまちなので難しいところです。実例を示してきっちり説明することが大切です。豊富な実績を持つNBCにぜひご相談ください。

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Q.防火一号扉と二号扉の構造の違いがよくわかりません。
A.特定防火扉とは従前の甲種防火戸で、一号扉は防煙性能が無いもの、二号扉とは防煙性能があるものに相当します。「その他扉」とは、一号、二号に相当しない扉全てのことを指します。特定防火設備の構造は平成12年建設省告示1369号に示されます。また、一号扉の構造は平成12年建設省告示1360号、二号扉の構造は平成12年建設省告示2564号に示されます。

告示に従った構造仕様で作れば、一号扉も二号扉として扱うことができますが、審査機関によっては隙間が生じていると二号扉と扱えないとしているところもあるので注意が必要です。
Q.3m2を超えるその他扉は避難に使用しても良いのでしょうか?
A.法律上は使用できることになっています。
しかし現実には3m2を超えるような大きな扉はたいへん重く、非常時に1人で動かすには困難と思われます。風圧などがかかるとなおさらです。従って、避難経路として不適切と考えられます。また、今回は通ったとしても将来的に不可となる可能性があります。これらを考慮し、できれば使用しないようにすべきでしょう。
Q.クロスの防火性能はどのように考えれば良いのでしょうか?
A.クロスは必ず下地基材に貼り付けられます。従ってクロスは下地とセットで防火性能を評価することになります。例えば「不燃クロス」とされているものでも下地が準不燃材であれば「準不燃材」となります。
Q.マシンハッチ・シャッターは避難経路として使えるのでしょうか?
A.○マシンハッチ
通常施錠されていることが多いので避難経路としては不適切であると考えます。
○シャッター
電動式:通電が止まると動かなくなります。また、重いため手動では動かせません。
手動式、バランスシャッター:簡単に開けることが可能なので避難に使用できます。
シートシャッターの潜戸:メーカーカタログなどでは軽々と持ち上げたり開けられたりできるようなイメージが載っていますが、現実にはとても重く、1人で持ち上げるのはとても困難です。実際に大阪市では避難路としての使用を禁止されています。
Q.「休憩室」の発熱量と在室者密度は告示に示されませんが、どのように考えるべきでしょうか?
A.「会議室」と同等か、可燃物が多いと考えられる場合は、少し多めの発熱量「住宅以外の寝室」で考えれば良いでしょう。
Q.防火区画とはどういうものですか?
A.防火区画とは、建築物内部をいくつかの部分に区画し、火災をその区画内に閉じ込めてしまうことで火災の延焼拡大を防止し、被害を最小限に抑えるために設けるものです。
構造は、床もしくは壁が耐火構造または準耐火構造、建具は特定防火設備となります。
種類は大きく分けて、面積区画・竪穴区画・異種用途区画の3つがあります。
Q.面積区画とはどういうものですか?
A.面積区画に関する条文は、建築基準法第26条、建築基準法施行令第112条1項~4項までとなります。
法第26条は、1,000㎡を超える建築物は1,000㎡以内毎に防火壁を設けなければならないという規定です。その際に、①耐火建築物または準耐火建築物、②卸売市場の上屋、機械製作工場等の火災発生の恐れの少ない用途(主要構造部が不燃または令第115条の2)、③畜舎その他政令で定める用途であれば設置は不可となります。
令第112条1項は、主要構造部が耐火構造または準耐火構造の建築物で、延べ面積が1,500㎡を超えるものは1,500㎡以内毎に1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床もしくは壁、または特定防火設備を設けなければならないという規定です。
令第112条2項は、耐火建築物または準耐火建築物としなければならない特殊建築物であるか、準防火地域内または特定防災街区整備地区で準耐火建築物とした建築物(「ロ-2」「イ-1」は除く)において、延べ面積が500㎡を超えるものは500㎡以内毎に1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床もしくは壁、または特定防火設備で区画し、かつ、防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏または天井裏に達せしめなければならないという規定です。
令第112条3項は、大規模の建築物(「イ-1」)、特定避難時間が1時間以上である特定避難時間倒壊等防止建築物、または「イ-1」「ロ-2」とした準耐火建築物は、1,000㎡以内毎に1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床もしくは壁、または特定防火設備を設けなければならないという規定です。
尚、劇場・映画館・体育館・工場等のやむを得ない大空間の利用となる部分、階段・昇降機の昇降路部分が区画されている部分においては面積区画は不要となります。

全館避難安全検証法を用いて、竪穴区画・異種用途区画は適用除外することはできますが、面積区画は令第112条に規定されている以外で緩和する方法はありません。

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計算特性についてのご質問

Q.検証実績を拝見すると、集合住宅や専用住宅の実績がありませんが。集合住宅や専用住宅には避難安全検証は利用できないのですか。
A.告示1441号には住居用途の在室者密度や積載可燃物の発熱量が示されており、避難安全検証法を用いて設計することは可能です。しかし、検証をクリアすることは難しく、実績はほとんど無いのが現状です。その理由として、集合住宅では、一般に住戸部分と廊下は防火設備によって区画されるため階そのもの検証はクリアできますが、各住戸からの避難が成立しないことがあげられます。これは、住戸部分の天井高さが低く、告示に示される積載可燃物の発熱量が大きいため、各住戸に排煙設備を設置してもほとんどの場合クリアできないからです。また専用住宅では、上記に加え、階段に繋がる廊下や各室に通ずる扉を防火設備にすることが意匠的に難しく、階そのものの検証もクリアできません。

※参考「 避難安全検証法が適さない建物」
Q.自然排煙の場合、仕様規定では給気口の有無に関わらず同じ開口面積でよいことになっていますが、告示の計算式では給気口の面積により排煙量が変わるようです。何故ですか。
A.給気口を設置していない場合の排煙量は、一般的に排煙口の換気因子に左右されます。しかし、有効な給気口を設けた場合、設置しない場合に比べて換気効率が高くなり排煙量が増大します。これは、室内の圧力分布状態がより排煙効率を高める状態になるということからで、告示式はそれを考慮した式となっています。
また、自然排煙の給気口は、火災室から煙伝播する場合、伝播先の室での煙発生量算定に影響します。煙伝播経路となる扉が「その他の構造」の場合、伝播先の煙発生量Vsは、

で算定されますが、Veは火災室の有効排煙量(自然排煙関係規定に適合し、かつ当該居室の壁の床面が1.8m以下の部分に排煙口の開放に連動して自動的に開放され又は常時開放状態にある給気口が設けられた排煙設備を設けた場合に限る。)となり、火災室の自然排煙設備を設置しても連動して開放される給気口が無ければ、伝播先にはその排煙量は考慮されないことになってしまいます。

Q.非火災室での煙降下時間を算定したところ、煙伝播元の火災室での煙降下時間よりも早い時間が算定されました。計算間違いはしていません。告示の計算式そのものがおかしいのでは?
A.間違いではありません。その様に算定される場合があるのです。これは、階避難安全検証では煙降下時間を算定する室において1.8mの高さまで煙が降下して来るまでの時間として算定していること、その他扉で通じる非火災室での煙発生量の算定量が火災室での煙発生量をベースに算定すること、伝播室での煙降下時間を火災室で伝播経路の建具の高さまでの煙降下時間+非火災室での煙降下時間となっていること、に起因します。
例として下図をご覧ください。火災室である室1での煙降下時間(1.8mまでの煙降下時間)は1.73分として算定されます。一方、その煙伝播室である室2では、一般扉である高さ2.2mの扉1と通じて室1の煙降下時間(2.2mまでの降下時間)+室2の煙降下時間(1.8mまでの煙降下時間)で1.09分となり、一般の感覚では理解できない結果が出てしまいます。こうした結果は、煙伝播の経路となる扉の高さが1.8m以上で、一般扉である場合に起こりやすくなります。店舗の風除室を設置する場合などには注意が必要です。

煙降下時間1:室1を最終出口として計算
Ts = 1.737分
煙降下時間2:室2を最終出口として計算
Ts = rTs1(室1で煙が扉1の高さまで降下する時間)
+rTs2(室2で煙が1.8mの高さまで降下する時間) 
= 1.035+0.058 = 1.0.93分

上記のように、火災室である室1の煙降下時間の方が、煙伝播先である室2よりも長く算定されます。店舗の風除室のように火災室となる店舗とその他扉である自動ドア等で接続されている場合、注意が必要です。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

Q.告示の解説書では、防煙垂壁を取付けた方が煙層を局所的に厚くすることができるため効率良い排煙が可能となり煙降下時間が長くなるとされています。しかし、30m角の正方形の事務室で、半分に防煙区画し、排煙方式を機械排煙(1m3/m2・min)として排煙口を2ヶ所設置した場合と、防煙区画しないで同じ排煙設備を設置した場合とを比較すると、防煙区画しない方が煙降下時間が長く算出されてしまいます。なぜでしょうか。
A.防煙垂壁を設置すると排煙効果係数A*が大きくなるため、排煙効率が上がり煙降下時間は長くなるように思われます。しかし、ご質問の事例のように機械排煙装置2ヶ所の排煙口間の距離が30m以内であるなら、防煙垂壁を設置しない状態での排煙能力は防煙垂壁を設置した状態と比較して2倍の能力があると計算できます。防煙垂壁を設置しないと排煙効果係数は低下しますが、設置した場合の半分にはならず、計算上の排煙能力は防煙垂壁を設置しない方が大きくなり、煙降下時間は長くなります。
一方、排煙口間の距離が30mを超える場合は、防煙垂壁の有無に関わらず計算上の排煙能力は同じとなり、排煙効果係数A*の差によって、防煙垂壁を設置した方が煙降下時間は長く算定されます。(下に図例を示します。)
ケースA*EWTs
スタディ 1(排煙口間30m以内)0.4412.2359005.18
スタディ 1(排煙口間30m以上)0.4206.1174503.39
スタディ 20.49259206.1174503.68
Q.階避難安全検証法では、階の出口が設置されている室(廊下等)で煙降下時間と避難終了時間を比較することになっていますが、廊下の途中に扉が設置されていたり、階段に附室がある場合、出口に達するまでの避難途上での評価はどのように行うのですか。
A.階避難安全検証法では、避難途上での煙降下と避難時間の比較を行わない手法になっていますので、避難途上での検討は不要です。この手法を悪用し、出口の手前に前室を設け、防煙性能を有する扉を設置し、計算上の煙降下時間を遅らせることで、安易に検証結果をOKとしようとする設計者がいるのは嘆かわしいことです。これでは非常に危険な設計となってしまいます。また、意図的に前室を設けなくても、特別避難階段の附室を設けた場合でも、附室の手前の室で避難時間が煙降下を上回ってしまう可能性があります。この場合は避難上の安全を考慮し、附室の手前を階の出口と設定し、避難時間が煙降下時間を上回っていないかを確認する必要があります。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」「避難安全検証法を活用した真に安全・安心な建築設計」

Q.煙降下時間が早く、どう工夫しても避難終了時間よりも遅くできないため、天井高さを上げて、煙降下時間を延ばそうとしますが、思うように長くなってくれません。蓄煙体積と煙降下時間は、比例しているのではないのですか。
A.蓄煙体積と煙降下時間の間には比例関係はありません
下図をご覧ください。いずれも平均天井高さと煙降下時間に対する居室面積毎の数値をグラフに示しています。無排煙の場合、室面積に関わらず煙降下時間は平均天井高さが5.7mの時に最大となります。そこからは天井高さを上げると、逆に、煙降下時間は早くなってしまいます。これは告示式において、煙発生量の増加が蓄煙体積の増加に5.7mで追いつき、それ以上になると煙発生量の増加分が蓄煙体積の増加を超える設定になっているためです。専門家の間でいろいろと議論を呼んでいるところでもあります。
設計者としては、この特性を理解した上で、設計方針を決めていかなくてはならず、難しいところです。
Q.「面積の小さな居室のある建物では、避難安全検証法は適用できない。」と聞きました。もしそうならほとんどの建物で、避難安全検証法が使えないのではないですか。
A.居室計算を行う上で、面積の小さな居室は煙降下時間が非常に早く、無排煙を実現しようとすると無理が生じます。
図01をご覧ください。 居室の面積と、その面積から算定される煙降下時間と避難開始時間の比率による平均天井高さ毎の数値をグラフに示し、無排煙とするなら歩行時間や扉通過時間の設計上の工夫の余地がどの程度残されているか(比率が小さいほど余裕がある)を表しています。例えば5m2・天井高さ2.5mの居室では、避難開始時間が煙降下時間を超え、検討するまでもなく”NG”が確定してしまいます。居室の形態にもよりますが、歩行時間・扉通過時間は、煙降下避難終了時間のうちの40%前後を占めるため、天井高さ2.5mでは200m2以下の居室では、無排煙にはできないと予測されます。
しかし、煙降下時間は積載可燃物の発熱量(ql)によって大きく左右されるため、発熱量の小さな用途の居室では様子が変わります。

図02は、積載可燃物の発熱量が小さい用途である「会議室その他これに類するもの」のグラフです。この場合では、居室面積が5m2であっても、天井高さが2.7mあれば無排煙に出来る可能性があることがわかります。

そもそも避難安全検証法は 排煙を無くすことが目的の法律ではありません。[無排煙に出来ない→使えない]と捉えるのではなく、合理的な避難計画を実現するツールとして活用し、より安全でコストのかからない建物を設計するために効果的な手法であると理解することが大切です。こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

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告示解釈についてのご質問

Q.避難安全検証法の解釈は、地方や審査機関によって違うのですか?
A.避難安全検証法はまだまだ発展途上の法律なので、地域や審査機関によって解釈にばらつきがあるのが現状です。ある地域で認められたことが、他の地方では認められなかったり、審査機関の担当者によっても解釈が異なったりするため、非常に困ってしまいます。事前に相談するなどといった対応が必要になります。また、法律と照らし合わせて明らかに納得できない解釈を示された場合は、とにかく根気よく説明を行い、理解を求めていきましょう。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

Q.自社ビルを建てるにあたり、階避難安全検証法を利用し無排煙の建物にしたいと思います。下図のような平面計画で、二方向避難を確保するために、一方は廊下に階段Aを、一方は室B(火災室)に階段Bを設置しました。ところが審査機関から、階段を廊下にもう1ヵ所設置する必要があるとの指摘を受けました。その理由は、避難安全検証法では火災室に設置された階段への出入口は利用できないものとして計算する必要があるため、室B(火災室)に設置された階段Bは利用できず、この建物には階段が1ヵ所しかないものと見なされ、二方向避難が成立しないからとのことでした。

その審査機関によると、仕様設計であれば、全ての階段を避難に利用することが可能なので、二方向避難は確保されているという回答でした。設計ルートによって階段の扱いは変わってしまうのでしょうか?

A.その審査機関の指摘に誤りがあります。設計ルートによって階段の扱いが変わるなどといったことはありません。仕様設計であっても、階段出口が設置された室で火災が発生するとその階段は利用できなくなってしまいます。
そもそも、二方向避難とは、どちらか一方が利用できなくなったとしても避難ルートが確保されるようにすることを目的とした考え方です。避難安全検証法では、火災室に階段への出口が設置され、設置室が火災となった場合はその出口を利用できないものとして階避難終了時間を算定する必要があります。結果的にその場合の避難終了時間が最も長く算定されますが、もう一方の階段(階段A)のみで検証がクリアできているなら問題はありません。また、それ以外の室(室A)で火災が発生した場合は、火災室(室B)に設置された出口から階段Bを利用しての避難が可能です。従って、二方向避難が成立しています。
Q.大型の平屋建て工場(約30,000㎡)を建設するにあたり、全館避難安全検証法を採用し、避難階での歩行距離の適用除外を受けたいと思います。作業員数は200人程度、工場に付随する施設も200人を想定して計画しています。ところが、審査機関から、工場部分の在室者密度を事務室と同等の0.125人/㎡で計算するように求められました。その計算では、在室者は3,750人となります。審査機関によると、告示1441号は定数で計算してもよいとは書かれていない、告示に示される最も近い数値で計算するのが原則だからとのこと。工場内には大型プレス機械が設置されており、3,750人もの作業員が入ることはあり得ません。どう説明すればよいでしょうか。
A.確かに告示1441号には、定数で計算してもよいとは書かれていません。しかし実際の人数の18倍以上の人数は現実的でないと思います。またせっかく性能設計を採用しているにも関わらず、必要以上の避難施設を設置しなければならないのは納得できなくて当然です。定数で検証を行いたい場合はルートC(大臣認定)とする必要があります。ルートBの範囲で少しでも現実的な在室者数にするには、①定数の根拠を示す。②告示で定められる最低密度(0.06人/㎡)を利用する。③それでも多いようなら通路等を想定して面積按分で在室者数を減らす。
Q.大型の可燃物を保管する営業用倉庫で、階避難安全検証法を採用し、排煙設備の適用除外受けようと思います。審査機関に相談に行ったところ、倉庫部分の在室者密度を事務室と同等の0.125人/㎡で計算することを求められました。しかし、実際には、保管物が置かれるためそんなに人が入れる部分がありませんし。実際の作業員数は1フロア当り20人程度、倉庫に付随する施設(休憩室、食堂、更衣室、便所)についても20人を想定して計画しており、そのような作業員数は物理的に入れないことを説明したところ、告示1441号は定数で計算してもよいとは書かれていないので、告示に示される最も近い数値で計算するのが原則であるといわれ、聞き入れてもらえません。どう説明すればよいでしょうか。
A.「建築物の防火避難規定の解説2005」P105に、倉庫業を営む倉庫について以下のように記載されています。
「駐車場のみで居室が存在しない階については、本検証の避難の安全性が居室を対象に行うものであるために想定していない。しかし、駐車場等であっても、居室と同様の検証を行い、階全体の避難安全性能を検証する場合は、火災室の一つとして避難者を想定して検証を行うことができる。駐車場の在室者密度は0.125人/㎡(車路の部分は除く。)又は2人/台とすることが考えられ、設備機械室等は点検者を想定し、0.01人/㎡とすることができる。尚、火災の発生のおそれのある室で、在室者が滞在している可能性のあるもの(倉庫業を営む倉庫、アトリウム(可燃物を置くもの)は、駐車場と同様に取り扱うものとする。」
この記載に基づき、倉庫は駐車場と同様に取り扱う、つまり、人は、倉庫の保管物の上には存在できませんので、通路部分に0.125人/㎡の在室者がいるものとすればよいのではないでしょうか。実際よりも若干多めの人数にはなりますが、現実に近い人数となると思います。
Q.可燃物を扱う工場に避難安全検証法を採用しようと審査機関に相談したところ、可燃物を扱うのであれば「倉庫」同等の2,000MJ/m2として計算するよう指摘されました。しかし、この工場は一般的な倉庫に比べて燃え草となる可燃物量はそれほど多くなく、在室者も数人程度しかいません。審査機関の指摘通りに計算すると、数人の在室者のために沢山の扉を設置する必要が生じ不合理な設計となってしまいます。どうしたらよいですか
A.可燃物を扱う工場に避難安全検証法を用いる場合、審査機関によっては「倉庫」同等の2,000MJ/m2と設定することを求められる場合があります。一般的には燃え草の量を明らかに、総発熱量を算定し面積で割った結果と、生産施設分の発熱量(機械であれば160MJ/m2が妥当と考えられます)を加算した結果から、安全側となる告示に示される発熱量を用いることになると思います。但し、揮発性の薬品を扱う場合や危険物を扱う工場については、避難安全検証法は使えないと判断されることが多く、事前に行政・審査機関と協議を行いよく確認しておく必要があります。
Q.告示1440号を用いるために、内装を準不燃以上とし、床から1.2m以下の部分を難燃材で仕上げました。ところが、竣工検査で「床から1.2m以下の部分であっても準不燃以上の材料で仕上なければ告示1440号により非火災室扱いはできない。」と指摘されました。一般に床から1.2m以下の部分は火災に影響しないため、内装制限の対象外ではないのですか?
A.一般的に建築基準法では床から1.2m以下の部分は内装制限の対象外なので、この竣工検査での指摘は厳しい判断だと思います。告示1440号には「壁及び天井(天井がない場合にあっては屋根)の室内に面する部分の仕上げ...」とあり、床から1.2m以下の部分は免除といった記述はありません。これを杓子定規に解釈すると、床から1.2m以下の仕上げも準不燃以上としなければならないと読み取れます。しかし『2001年度版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説(国土交通省住宅局建築指導課他編)』P55には「αmを求める場合は床から1.2m以上を対象にする」と記載されています。このような解釈の違いは設計を行う上で混乱を招くため、設計者としては解釈の統一を望むところですが、統一されないまま審査が行われているのが現状です。対策としては、事前に審査機関に対して確認を行うほかありません。
Q.駐車場の周囲が開放されているので、自然排煙口として計算しました。ところが審査機関から、常時閉鎖されていて必要な場合のみ開放される構造ではないので自然排煙口として扱えないと指摘されました。常時開放されている開口部は自然排煙口として認められないのですか?
A.建築基準法施行令第126条の3第1項第6号に「排煙口には、第4号の手動開放装置若しくは煙感知器と連動する自動開放装置又は遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持し、かつ....」とあります。この部分を文言通りに解釈すると、常時開放状態の開口部は、排煙口としての構造を満たしていないというようにも解釈できます。しかし、これは、排煙口の閉鎖状態を保持し非常時のみ開放とすることで、排煙設備が火煙の伝播経路となることを防ぐために過ぎず、常時開放された開口部は排煙口としてみなせないとしているわけではありません。告示1436号第1号ハには「排煙口は常時開放状態を保持する構造のものであること。」と明記されています。従って、常時開放状態の開口部は排煙口として計算して差し支えありません。
Q.告示1441号では、防火設備(シャッター等による面積区画)により区画される場合、それぞれ別々の室として扱うことになっていますが、2つに分割された室面積の合計が1,500m2を超える場合、防煙区画はどのように考えればよいのでしょうか。仕様規定では、防火設備(一号)では防煙区画とは見なされず、防煙垂壁を防火設備に併設して設置するか、シャッターを防火設備(二号)とするのが一般的な解釈ですが、告示1441号を用いる場合、それぞれ別の室とした上で、防火設備からの煙の伝播はその高さの1/2に達した時点ですので、防煙垂壁を設置したところで何も変わらないと思います。
A.ご指摘の通りです。実は、この部分の解釈は行政や審査機関によって異なります。 仕様規定と同様、防煙垂壁を併設するかシャッターを二号にすることを求められる場合もあれば、それぞれ別の室と扱い漏煙を考慮し、防煙区画は成立しているとする場合もあります。どちらになるかは事前によく確認しておく必要があります。
Q.同一区画内に複数の自然排煙窓を設置しています。連動して作動するようにしていなくても同時に作動するものとして排煙量を算定してもよいのでしょうか。
A.告示1441号には、自然排煙窓を連動しなければならないという規定はありませんので、同時に作動するものとして排煙量を算定してもよいと考えられます。しかし、遠く離れた場所に設置されているものを別々のオペレーターで同時に作動させることはあまり現実的でないので、可能な限り連動して作動するようにすべきでしょう。また、安全側の設計を行うなら、複数の自然排煙窓の中で最も排煙量の小さなものだけが作動するという条件で算定すればよいでしょう。また、給気口を設ける場合は排煙窓の開放に連動して自動的に開放されるか、常時開放状態を保つことができなければ有効な給気口とはみなされません。注意が必要です。
Q.自動ドアを風除室に設置しているのですが、避難用の出口として扱ってよいでしょうか。
A.建物の内部から誰もが容易に開放できる構造となっているのであれば、避難用の出口として扱っても問題ありません。ただし、自動ドアは引き残しが大きいので、有効幅については注意が必要です。
Q.手動式バランスシャッターを倉庫部分に設置しているのですが、避難用の出口として扱ってよいでしょうか。
A.建物の内部から誰もが容易に開放できる構造となっているのであれば、避難用の出口として扱っても問題ありません。ただし、避難者が一人で容易に開放できないような開口幅の大きなシャッターは避難用の出口として扱えない場合があります。容易に開放できるか否か、シャッターの大きさについての明確な基準はありませんので、大きなシャッターを避難出口として扱う場合は事前に行政・審査機関に相談する方がよいでしょう。また電動式シャッターは火災による停電が生じると開放できないため、避難出口として扱うことはできません。
Q.避難に使えるシャッターはどんな種類のものですか?
A.避難安全検証法では、シャッターが避難に使えるかどうかは、火災時に人が容易に開放できるかどうかによって考えます。
シャッターには様々な種類がありますが、「手動」or「電動」、また、「軽量」or「重量」に分類します。
そして、「手動」+「軽量」シャッターのみが避難に有効とされます。火災時に電気系統は使用できなくなり、また重いものは手で持ち上げられないと考えるからです。電動シャッターであっても停電した際に手動で開放できるようになっているものであれば避難に有効と考えます。
また、営業時に常に開放した状態で使用するシャッターは避難に有効と考えます。避難安全検証法は人の避難と煙の降下を比較するものであるため、人のいなくなる営業時間外については、考えなくて良いからです。
Q.2階建ての店舗を計画しています。2階の出入口は、全て一旦、ペデストリアンデッキ及びバルコニー(屋外で天井もありません)に出た後に階段に避難する形態になっています。この場合、告示をそのまま読むと、2階の階煙降下時間はペデストリアンデッキ及びバルコニーで計算することになり「無限大」と算出されてしまいます。階避難終了時間がいくらかかってもよいのでは安全性に欠ける設計となってしまいそうです。どのように考えればよいですか。
A.告示では避難経路等で煙降下時間を算定することによって、火災が発生していない室の在室者が安全に避難できるかどうかを計算することになっています。その精神に従えば、以下の2通りの考え方があると思います。
(1)告示通り、階煙降下時間は無限大と考える
避難経路が明確で、手前で煙に巻かれる恐れがない場合は、告示通り、煙降下時間を無限大としても差し支えないと思われます。
(2)手前の室で階煙降下時間を計算する
告示通りの計算で煙降下時間が無限大となり安全性は確保されると算出できても、そこに至るまでの避難経路がよくわからない場合も多いでしょう。その場合は、避難終了時間算定のよりどころとして、ペデストリアンデッキ及びバルコニーの一つ手前の室で階煙降下時間を計算します。これにより、デッキ及びバルコニーでの避難はより安全側に算定できます。
Q.1室しかない平屋建の店舗を計画しています。告示に従い以下の計算を行いました。
(1)居室避難計算を行い、対象居室で火災が発生した場合の、その居室の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
(2)階避難計算を行い、対象階で火災が発生した場合の、その階の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
その結果、(1)の検討はクリアしましたが、(2)の検討では、避難開始時間が無条件で3分加算されるためクリアできません。同じ建物で同じ火災を想定して計算を行ったのに結果が大きく違うことに納得できません。階避難計算は省略できないものかと思いましたが「2001年度版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」に、いかなる場合も計算は省略できないとあるので困っています。どう考えればよいのでしょうか。
A.ご質問のように告示が想定していない計画の場合、避難安全検証法の基本から考えていく必要があります。告示の求める安全性能は、火災が発生した室の在室者の安全性は居室計算で、火災が発生した室以外の室の在室者の安全性を階避難計算で確認することになります。従って、まず、(1)居室計算にて、対象の居室で発生した火災による煙やガスから安全に避難可能かどうかを検証します。次に(2)階避難計算にて、対象階で発生した火災による煙やガスから階全ての在室者が安全避難可能かどうか検証します。
ご質問の計画の場合、(1)居室計算は問題ないでしょう。ところが(2)階避難計算では、1室しかない=検証の対象となる室が存在しないため、計算のしようがありません。それでは、階避難計算は必要ないのではと思われますが、そうはいきません。居室計算と階避難計算とでは計算方法が若干異なり、結果が違ってくる可能性があるため省略できないのです。居室計算では避難に利用する最大巾の扉付近での火災を想定し利用できる巾をBeffによって算定するのに対し、階計算では火災室に設置された避難に利用する最大巾の扉は無条件で利用できないとにする必要があるため、扉通過時間に差異が生じる可能性があるからです。
さて、そこで考えなければならないのは避難開始時間です。階避難計算における避難開始時間は、火災が発生した室以外の室にいる在室者は火災の発見が遅れることから、床面積から算出される時間に3分或いは5分加算することになっています。ご質問の計画の建物の場合、火災室は1室しかないのでこの加算は必要ありません。よって居室計算と同様、床面積から避難開始時間を算出し(加算時間無し)、階避難時間の計算を行い、階煙降下時間と比較すればよいと考えられます。また、階煙降下時間の算定については、建築基準法施行令第129条の2第3項5号に「当該火災室を除く」とあるのに従い「無限大」として検証を行えばよいと考えられます。
Q.物販店で、在庫を保管する倉庫はどのように扱えばよいですか。
A.物販店の倉庫の扱いは以下の3通りが考えられます。
(1)倉庫内で作業を行わない場合
単純に倉庫としてのみ使用する場合、用途は非居室の倉庫とし、人口密度は0人、積載可燃物の発熱量は2,000MJ/m2として計算します。
(2)倉庫内で荷捌作業等を行う場合
倉庫内に作業を行うスペースがある場合は、常時在室者がいる可能性があるので、居室として考えます。この場合、想定される作業エリアに対し事務所と同等の人口密度(0.125人/m2)・積載可燃物の発熱量(560MJ/m2)を見込み、倉庫部分(2,000MJ/m2)との面積按分で求めた結果で計算します。
(3)倉庫を通過しないと避難できない事務所等が居室内居室として設置される場合
倉庫を居室とみなし、居室内居室を含む居室として計算し、安全性を確認します。
この場合、告示通りに倉庫部分を非居室とみなして計算すれば問題ないようにも思われますが、それでは倉庫で火災が発生した場合、居室内居室の在室者が避難可能かどうか確認できません。より安全性の高い建物とすることを心がけて考えていくことが必要です。
Q.階段状になった居室があり、その居室は2階と3階から出入可能となっています。このような場合、どのように計算すればよいのですか。
A.複数の階から出入り可能な居室は、どちらの階にも属す室として計算します。居室計算は1室なので1回行えばよいですが、階計算を行う場合、出入り可能な階に属するものとして計算します。
Q.更衣室をパウダールームの一種と解釈して非火災室として申請したところ、更衣室は居室であるので火災室として計算する必要があると指摘されました。仕様規定でも更衣室は非居室扱いであるので納得できません。
A.更衣室の扱いについては色々な意見があるようです。
基本的に更衣室は、常時在室者がいない(着替えや化粧直しに使用する時間は数分程度)パウダールームの一種と考えられ「非居室」とされます。しかし現実には多くの更衣室に喫煙コーナーが設置されたり、机・椅子が置かれて、休憩室と同様に利用されています。そのため「居室」として扱うようにと指摘を受けることが少なくありません。最終的には実際の使用形態により判断します。更衣のみに利用することが明らかであれば「パウダールーム」→「非居室」として計算することが可能です。
Q.階避難安全検証法を用いて2階建ての店舗を設計しました。確認申請を提出したところ、ある審査機関から、直通階段までの歩行距離が足りないので全館避難安全検証法の計算が必要との指摘を受けました。階避難安全検証法の緩和事項として、施行令120条(直通階段までの歩行距離)は緩和されるとあるのですが、他に必要な条件があるのでしょうか。
A.階避難安全検証法で安全性能が確認できれば、施行令120条(直通階段までの歩行距離)は他の条件がなくても緩和されます。
おそらく今回の審査担当者は、平屋建ての建物では階避難安全性能が確認できれば同時に全館避難安全性能も確認されることと、階避難安全性能の確認だけでは、施行令125条1項(屋外への出口までの歩行距離)は緩和されないことを混同し「2階建ての物件→避難距離の緩和はない→全館避難安全性能クリアが必要」と考えてしまったのでしょう。
避難安全検証法とその緩和内容については、こちらの解説をご参照ください。
Q.全館避難安全検証法とは、単純に、各階に階避難安全検証法を適用することですか。
A.階避難安全検証法と全館避難安全検証法では検証範囲が異なります。階避難安全検証法は特定の階のみ検証を行いますが、全館避難安全検証法は、その上でさらに、全館避難終了時間が全館煙降下時間を下回ることを確認する必要があります。全館避難終了時間とは、建物の中にいる全ての人が建物の外に避難するのに要する時間、全館煙降下時間とは、建物全体の中で火災の発生する恐れのある全ての室で発生した火災による煙やガスが竪穴(階段・吹抜・DS等)に流入するまでの時間です。
また、階避難安全検証法では、避難施設、排煙設備、内装制限などに関する一部の規定を除外することができますが、全館避難安全検証法では、上記に加え、防火区画などに関する一部の規定を除外することができるため、より多様な計画が可能になります。ただし、全館避難安全検証法の方が検証内容が厳しいため、階避難安全検証法に比べ、より多くの対策が必要になります。
 
参考「(4)階避難安全検証法と全館避難安全検証法」
Q.施行令129条2には、避難安全検証法が適用できる建物として、「主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られたものに限る」とあります。これに従うと、主要構造部が耐火構造であるものには適用できないのですか。
A.準耐火構造には耐火構造も含みますので適用可能です。
性能設計導入後、用語の意味が変わっています。以前は準耐火構造と耐火構造は相互に兼ねることはありませんでしたが、現在は性能の劣るものにはそれよりも性能の優れたものを含むようになりました。下図をご参照ください。
Q.階避難安全検証の適用を検討しています。 階煙降下時間を遅らせるために階出口の直前に前室(附室)を設置することを考えました。計算すると階煙降下時間は大幅に長くなり検証はクリアします。しかし、階出口の直前に前室(附室)を設けただけで建物が安全になったとは思えません。もっと良い方法はないでしょうか。
A.確かに告示1441号の検証方法で検討すると、階出口の直前に前室(附室)を設ければ階煙降下時間を大幅に遅らせることが可能で、告示解釈上は合法となります。しかし、ご質問の通り、建物がより安全になったかというとそうではありません。
下図は、階出口の直前に前室(附室)を設置しない場合です。階煙降下時間は「廊下」で算定することになります。避難安全検証法の趣旨は、例えばA室で火災が発生した場合、その火災による煙やガスがB・C室の避難経路となる「廊下」で避難が出来なくなるレベルに煙が充満するまでにB・C室の在室者が火災に気が付き避難できるようにすることです。ですから、階避難安全検証法での避難開始時間は居室計算での避難開始時間に3分を加え、火災室以外の在室者は火災の発見が遅れることを考慮し、避難経路であり階出口となる「廊下」での煙降下時間と階避難終了時間を比較するようになっています。
しかし、階出口の直前に前室(附室)を設置すると、告示の解釈では階煙降下時間は前室(附室)で計算することになり、「廊下」での煙降下時間はまったく考慮されなくなります。よって、下図の例では、前室(附室)での階煙降下時間は遅らせることが可能です。しかし、各室の避難経路となっている「廊下」の煙降下時間は前室(附室)を設置しない場合と比較して長くすることは出来ません。前室(附室)を設置しないと検証が成立しないのならばB・C室の在室者は「廊下」で煙に巻かれ最悪の場合は、附室に到達するまでに息絶えてしまう可能性があります。
このような場合の最適な設計方法は、前室(附室)を設けるのではなく、A・B・C室の廊下への出口を防火扉(一号)とし、それでも煙降下時間が避難終了時間を上回らない場合は、廊下の天井高さを上げる・排煙装置を設置する等の工夫を行うようにした方がよいでしょう。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

Q.1,500m2の面積区画を行った室で内装を準不燃材料で仕上げて設計したところ、審査機関から「内装材を不燃材料にする必要がある」との指摘を受けました。避難安全検証法はクリアし、また防煙区画は耐火構造で行っているのに、どうしてでしょうか。
A.防煙区画を行う防煙壁は、不燃材で作るか覆われている必要があります。ご質問の場合、準不燃材料で覆われていることになるので指摘を受けたのでしょう。
しかし、防煙壁が耐火構造であれば、不燃材料を覆った壁よりも性能が上回りますから、わざわざ不燃材で覆う必要はないように思われます。それにも関わらず認められないというのは疑問が残るところですね。
Q.平屋建ての店舗で階避難を成立させるため、店舗部分から屋外に出られる扉を設置します。その扉から敷地外に出るまでの敷地内通路の幅員は、避難経路としての幅員1,500mmを確保する必要はありますか。直接地上へ通ずる出入り口とみなし、建物内の廊下幅員が緩和されるように、敷地内通路も緩和できるのではないですか。
A.敷地内通路は避難安全検証法の緩和の対象外です。施行令128条に定められているように、原則1,500mmを確保する必要があります。
Q.店舗で、バックヤードには作業員が常駐するため、居室として扱い、内装は不燃材料とする必要があります。ところが建て主から、カートをぶつけやすい腰壁の部分に合板を張って補強して欲しいと要望が出されました。なんとか応じたいのですが、不燃の合板がなかなか見つからず困っています。良い方法は無いでしょうか。
A.避難安全検証法で扱う内装の火災成長率(αm)は、床面から1.2m以上の部分の壁及び天井の室内に面する部分(廻り縁、窓台その他これらに類する部分を除く)の仕上げの種類に応じてαmを定めることとなっています。一般的に火災は、床面から1.2m以上の部分に寄与し拡大すると考えられるからです。
従って、1.2m以上の部分を不燃材料で仕上げてあれば、腰壁や床などの内装の種類を考慮する必要は無く、αmは不燃材として計算できます。合板を張る範囲を床面から1.2m以内にすればよいでしょう。
Q.不燃 or 準不燃を決めるのは、仕上材ですか、それとも下地材も考えなくてはいけませんか?
A.避難安全検証法では、仕上材の種類によって、不燃、または 準不燃を考えます。これは「2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」(通称:オレンジ本)p63、煙発生量Vsを求める際のαmの説明に「当該居室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げの種類に応じて定まる種類」にも明記されています。

MEMO
・基準法(令129条)に規定されている通り、火災室の場合は床面から1.2m以下の部分は内装制限はかからない。火災の発生のおそれの少ない室については壁(1.2m以下の部分も含む)・天井を準不燃材料以上で仕上げる必要がある。
・避難安全検証法を用いて内装制限の適用除外は可能であるので、例えば基準法上準不燃材以上としなければならない室でも準不燃材より下の難燃材や木材でも検証可能である。ただし、その分煙降下が早くなるので、扉の追加や天井高さを上げたり等の工夫が必要になる。
・避難安全検証上火災の発生のおそれの少ない室でも内装が難燃以下であれば火災室として扱う必要がある。
・仕上材に異種の材料が使用される場合、原則として最も性能の低い材料の仕上げの種類に応じた数値を採用するが、その最も低い材料が占める割合が少なく内装制限の取扱いと同様に、壁、天井のそれぞれが見付面積1/10以下の範囲であれば性能の低い材料を考慮する必要はない。(建築物の防火避難規定の解説2016P106より)

Q.出入り口の複数の扉が全て連続して設置されている店舗を計画しています。こういった扉は居室避難計算では「1つの広い扉として扱う」こととされています。一方、階避難計算では「地上に通じる出口のうち最大幅のもの1つは無いものとする」とされています。居室避難計算と同様、1つの扉として扱うと、扉が全く無いことになり計算が出来ません。どのように考えればよいですか。
A.居室内で火災が発生すると連続して設置されている扉は全てその影響を受けるという考え方から、居室避難計算を行う場合は「連続した複数の扉を1つの広い扉として扱う」こととされています。階避難計算においても同じ考えが適用されると考えられますが、告示には明確な基準は示されていません。ご質問のように、何メートルにも渡り扉が連続している設計で、それらを一つとみなし、全て使用できないとするのは不合理といえます。このような場合は、行政との調整が必要です。
Q.全館避難安全検証法を用いて、竪穴区画の緩和を受けようと検討しています。竪穴最上部に位置する階においても竪穴に煙が伝播した時点で全館に煙が伝播したと考える必要があるのでしょうか。
A.最上階においては、竪穴に煙が伝播しても煙は他の階に伝播しませんので、無視しても構いません。
全館避難安全検証法において避難時間と比べるべき煙降下時間とは、政令において「当該火災室において発生した火災により生じた煙又はガスが、階段の部分又は当該階の直上階以上の階の一に流入するために要する時間」とされています。これを告示では精密に計算することが難しいため「竪穴に流入するために要する時間」と置き換えられています。従って、伝播先の当該階の直上階以上の階の一がない場合は無視してよいと考えられます。
Q.広さ6,000m2の店舗(一室)を計画しています。面積が大きいため、感知機連動シャッターにて4つに防火区画が必要です。この場合、この室は1室として扱えますか、それとも4室とみて別々に扱わなくてはいけませんか。
A.これは4つの室として扱う必要があります。火災が発生してシャッターが閉鎖すると、他の区画を通過できなくなるからです。こうした場合、各防火区画に一様に扉を設け、さらにシャッターに潜戸を設置するとクリアしやすくなります。
Q.避難安全検証法では、計算上「近接して設置された扉は一つの扉として計算すること」になっていますが、この近接とはどの程度の間隔をいうのでしょうか。基準が示されていないのでよくわかりません。
A.明確な基準はありませんが、居室避難安全検証のBeffの計算で同じ結果になるまで、すなわち、二つの扉の間隔が、使用できなくなる扉幅以上あれば、別々の扉とみなしても問題ないでしょう。
そもそもなぜ近接して設置された扉は一つの扉として計算することが必要なのでしょうか。例を交えて考えてみましょう。室内で最も幅の大きな扉付近で出火したと想定します。居室避難安全検証ではその扉が徐々に利用できなくなるとしてBeff(有効出口幅)の計算を行います。例えば、幅1,800mmの開口部に、幅1,800mmの扉1個が設置されている場合、Beff算定による有効出口幅は条件によっては0mmとなることもあります。しかし、900mmの扉2個が連続して設置されている場合、それらを一つの扉と見なさずに計算すると、どんな悪条件でも900mmの有効出口幅が確保されていることになってしまいます。こうした扉の形状による差を解消するため、近接する扉は一つの扉とみなして計算することとされています。
この考えに従うと、店舗でよく見られるような何メートルにも渡って連続した扉が多数設置されている場合などはその扉を一つの扉としてみなす必要はないということになります。二つの扉を一つの扉とみなそうが、別個に扱おうが、その二つの扉の間隔が、使用できなくなる扉幅以上であれば、居室避難安全検証のBeff計算では、同じ結果になるためです。
Q.物販店を設計しています。バックヤードに直通階段を設置しますが、その階段を使用しての避難は考えていません。このような場合、その他の階段だけを対象に階避難安全検証法を適用してもよいでしょうか。
A.原則として、直通階段は全て検証の対象になります。バックヤードを経由した避難が可能ならば、設置の目的は関係ありません。ただし、検証を行う上で明らかに安全側の評価となる場合は、その階段をないものとして検証することも可能です。
また、全館避難安全検証法では、竪穴の部分に煙が入らないことが条件となっており、直通階段であるかどうかに関係なく全ての階段が全館煙降下時間を算定する対象になります。注意が必要です。
Q.1居室に複数の用途がある場合の在館者密度と積載可燃物の発熱量の設定はどのようにすればよいのですか。
A.在館者密度と積載可燃物の発熱量共に、各用途が占める割合で面積按分して求めた数値で計算します。
Q.避難安全検証法(ルートB)を用いて防火区画(面積区画)の緩和を行いたいのですが、可能ですか。
A.面積区画(1,500m2)の緩和は受けることは出来ません。ただし、全館避難安全性能を有するものは、
 (1)11階以上の「100m2区画」
 (2)竪穴区画
 (3)異種用途区画
の緩和を受けることが可能です。
Q.防災計画指針では、その居室から避難が最も不利になる位置に出火場所を想定し、出火場所の近傍にある居室出口の1つが使えないものとしていました。避難安全検証法(ルートB)においても同じように考える必要があるのでしょうか。
A.避難安全検証法(ルートB)では、居室の避難者が扉に到達するまでの時間と、最大幅の扉の近傍での火災の拡大とを比較し、到達時間よりも火災拡大が遅ければその扉は使えるものとして計算し、火災拡大が早ければ告示式により避難に使用できる有効幅を算定した上で扉通過時間を算定します。従って、計算によっては有効幅が0になり使えないとして計算する場合と、実際の扉幅より狭く計算する場合、実際の幅全てが使える場合とがあります。又、階避難終了時間算定時には、火災室に設置される地上に通ずる扉のうち、最大幅の物は使用できないものとして計算します。
Q.避難安全検証法を適用する階に金庫室を設けます。面積が非常に小さいうえに天井高さも確保できず居室避難計算がクリアしません。セキュリティー上、他室とは完全に区画する必要があり、欄間開放等を行うこともできません。どうすればよいでしょうか。
A.金庫室は、告示1440号第二号2によって非火災室として扱うことが出来ますので、完全に区画し、非居室として計算すればOKです。ただし実際には係員等が常駐して使用されるような室であれば、いくら室名が「金庫室」であっても「事務室」として計算する必要がありますのでご注意ください。
Q.実際には「金庫室」として使用される室を建主からの希望で「書庫」とし、室の条件は「金庫室」としても良いのでしょうか。
A.実際の用途は「金庫室」でも「書庫」と記載するのは、誰でも閲覧できる「設計概要書」に「金庫室」の場所を明らかにすることは防犯上避けたいからという経緯があります。ある審査機関によると、用途は「金庫室」であっても、図面上「書庫」なのであれば「書庫」として計算は行うべきとの考えがあったことから、実際の用途が違ったとしても「書庫」として検証するようにしています。審査機関によっては「金庫室として使用」する旨を注意書きとして書き添えれば「書庫」でも「金庫室」扱いとできるところもあります。
Q.避難安全検証法を適用する階で、無排煙ではどうしてもクリアしないので、自然排煙設備を設置しようと考えています。その排煙設備の構造は仕様規定によるものを設置する必要があるのでしょうか。
A.避難安全検証法では排煙設備の構造を規定する施行令126条3項が緩和されますので、仕様規定の定める構造である必要はありません。計算では、設置した排煙設備の構造により、告示計算仕様で排煙量を計算します。
Q.病院・児童福祉施設の避難安全検証を行いたいと思います。告示には計算のための数値が示されていませんが、どの数値を使って計算を行えばよいのですか。
A.病院・児童福祉施設には避難安全検証法(ルートB)は使うことができません。病院・児童福祉施設では、全ての在室者の自立避難は困難であると考えられ、歩行速度が決められないためです。病院・児童福祉施設は大臣認定(ルートC)を用いる必要があります。

参考「 避難安全検証法が適さない建物」
Q.煙・ガスの煙降下時間の算定要因に内装仕上や用途による積載可燃物の発熱量の項目はありますが、スプリンクラー設備による緩和項目はありますか。
A.避難安全検証(ルートB)ではスプリンクラー設置による緩和事項はありません。大空間の室や用途によっては、スプリンクラー設備を設置しても避難上必ずしも安全になるとは限らないと考えられるためです。
Q.異種性能の内装材を用いる場合、火災成長率(αm)はどのように考えればよいですか。
A.異種性能の内装材を仕上材として混用する場合、原則として、最も性能の低い仕上材種類に応じたαmを採用します。ただし、最も性能の低い材料が占める割合が少ない場合(内装制限の取り扱いと同様、壁、天井の夫々が見附面積の1/10以下の範囲)であれば性能の低い材料を考慮する必要はありません。
Q.避難安全検証法を用いて倉庫業を営む倉庫の検証を行います。用途を倉庫とすると非居室となるため居室避難検証の必要がなくなってしまいます。実際には常時作業員が在室するので居室として算定した方がよいと思いますが、どうすれば良いでしょうか。
A.館者が滞在している可能性のある室は居室として考えたほうが安全な設計が行えます。倉庫の場合、作業員は主に荷物が置いていない通路部分で作業を行うことになりますので、通路部分の面積に対し0.125人/m2の人口密度で算定すればよいでしょう。人口密度で算定すると過大な数値になる場合には、実際の作業員数で算定することも可能です。
Q.避難安全検証法を用いて駐車場の検証を行います。告示には在室者密度の指示がありません。どの程度の人員を想定すればよいでしょうか。
A.駐車場の在室者密度は一般に0.125人/m2(車路部分を除く)、または2人/台と考えるとよいでしょう。
Q.複数用途の建物を、避難安全検証法を用いて計画しています。それぞれの用途の室間に行き来できる扉は一切ありません。このような場合、それぞれゾーン分けして検討することは可能ですか。
A.可能です。
「階において、開口部のない耐火構造の壁により区画された当該階の各部分と相互に人等の行き来ができなく、かつ、煙が他の部分へ伝播しない場合は、当該部分の階避難安全性能を検証すればよいこととする。また、令第117条第2項による開口部のない耐火構造の床又は壁により区画されている場合においても、その区画された部分をそれぞれ別の建築物とみなして、階避難安全性能及び全館避難安全性能を検証すればよいこととする。」
[建築物の防火避難規定の解説2002 編集:日本建築行政会議 P108 8)ツインビル等の検証法]より

建築基準法施行令 第117条
この節の規定は、法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、前条第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が千平方メートルをこえる建築物に限り適用する。
二 建築物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されている場合においては、その区画された部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。

Q.3階建ての店舗を計画しています。2・3階は駐車場になっており、避難安全検証法を用いても計画は大きく変わらないので、1階のみ避難安全検証法(ルートB)で設計することは可能ですか。
A.可能です。避難安全検証法は階ごとに適用できますので、1階は避難安全検証法(ルートB)、2・3階は仕様設計(ルートA)で計画します。ただし、全館避難安全検証法を用いる場合は全ての階に避難安全検証法(ルートB)を用いる必要がありますので、ご注意ください。
Q.居室の間仕切りのガラス部分は壁として扱ってよいでしょうか。
A.避難安全検証法では、ガラス部分は開口部(サッシ)として扱われます。従って、ガラス部分は開放されているものとして煙降下時間を計算しなくてはならず、プランによっては防火設備にする等の対策が必要になる場合があります。ただし、耐火間仕切壁の認定をとっているガラス壁であれば、壁とみなすことができます。
Q.図のような一室だけの店舗を計画しています。居室避難計算では居室避難終了時間は3分・煙降下時間は5分と算定され、居室避難安全性能はOKとなりました。しかし、階避難計算では避難開始時間に3分を加算するため、階避難終了時間は6分・煙降下時間は5分で階避難安全性能はNGとなってしまいます。一室しかないのに、火災室以外の部分への情報伝達時間3分を加算することに納得がいきません。居室避難安全性能が満たされれば十分ではないでしょうか。
A.ご指摘はごもっともです。図のように一室で構成された建物では、3分を加える根拠がなく、居室避難安全性能の検証だけでなんら問題ないと考えられます。
しかし、告示の原則は居室避難安全検証だけでは階の避難安全性能は検証されないとなっており、居室避難計算だけで済ませることは認められません。従って、こうした場合は、考え方を整理して行政に相談されればよいでしょう。
また、複数の居室で構成された建物においても、地上へ通じる扉が設置されている室で火災が発生した計算を行う場合、その室を通過しなくても安全に避難できるルートが確保されている場合は、その室で火災が発生している場合の階の煙降下時間の算定対象から除外してもかまいません。「2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」P257(避難階での検証法の適用)ただし、上記室以外で火災が発生した場合の煙伝播による煙降下時間の計算は上記室でも行う必要があります。
参考
Q.工場を計画しています。ルートBを適用したいと考えていますが、「2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」P256、「告示に示されていないものの扱い」の中で、実験室、工場、倉庫など、告示に値が示されていない用途はルートBの対象外とあります。工場には適用できないのでしょうか。
A.歩行速度・在館者密度・積載可燃物の発熱量が、告示に示されている数値を採用できるのであれば、工場にもルートBを適用することができます。下記のように考えてみましょう。
・歩行速度:一般の組立工場等では、作業台に作業員が配置され安全通路等は必ず設置されますので、「学校、事務所その他これらに類する用途」と読むことができると思います。
・在館者密度:工場では無制限に作業員が入ることはなく通常は作業定員があると思いますので、その数値を採用します。ここで作業員数が不安定で常に増減があるということでしたら、最大人員+(余裕を見た人員数)としておけば安全側の計算とすることができます。
・積載可燃物の発熱量:作業の内容、用いる機器・薬品・製品の燃えやすさ等から推定することになりますが、作業に1)火気は使用しない。2)発火性の薬品は使用しない。3)製品は不燃物質で構成されている。ということでしたら、一般の事務室と何ら変わりませんので、560MJ/㎡と見れば十分安全側の設定となると思います。
Q.可動間仕切壁の設置された宴会場や会議室の検証はどのように行えばよいのですか。
A.可動間仕切壁が閉まった状態(複数の居室)と、開放された状態(1つの居室)の二通りの検証を行う必要があります。
Q.地上への出口に繋がる扉が複数設置されている居室については、どのように歩行時間を求めればよいですか。
A.基本的には「新・建築防災計画指針」に示される直角2等分線によるゾーニングを行い、それぞれの中で避難経路を作成します。それらの歩行時間を比較して、最も長いもの(距離)をその居室の歩行時間とします。
Q.平屋建ての郊外型店舗の計画をしています。屋外出口までの歩行距離と屋外への出口幅が建築基準法の仕様規定通りに確保できないので、全館避難安全検証法を適用したいと考えています。このような場合でも、階避難安全検証計算を行ったうえで、さらに全館避難安全検証計算を行うことが必要でしょうか?
A.平屋建ての場合、階避難安全検証がOKならば全館避難安全検証も同時に行ったこととして扱うことができます。従って、平屋建ての店舗等では比較的簡単に全館避難安全性能が確保しやすく、自由な設計が行いやすいと言えるでしょう。
Q.全ての居室に直接地上に通じる扉がある場合、居室避難安全性が検証できれば、階避難安全検証を行う必要はないのでは?
A.いいえ、この場合も階避難安全検証を行う必要があります。
居室避難安全性能は、対象の室で火災が発生した場合、その室の在室者が安全に避難できることを検証する方法で、対象の室以外の在室者が安全に避難できるかどうかは検証できません。ですから、各火災室で火災が発生したことを想定して階避難安全性能を検証する必要があります。この場合、直接地上に通じる扉が設置された室が階煙降下時間の計算対象となります。
Q.歩行時間算定のための歩行ルートを、室内で扉の最も遠いところから斜めに引いたところ、行政機関から壁に平行に算定するようにとの指導を受けました。室内には何も無く、斜めに避難できるにもかかわらず、なぜ遠回りの避難ルートを考えなければならないでしょうか。
A.避難安全検証の計算では、歩行時間の僅かな差でもOK・NGが左右されます。室の中を斜めに避難できないとしているのは、室の中央に家具等が置かれることを考慮し、安全性確保のために最大の歩行時間となるようにするからです。
図を使って説明します。

左図では、室内に家具等を設置すると歩行距離が長くなってしまいます。一方、右図では、家具等を設置しても距離が長くなることはなく安全側の算定となります。また、歩行ルートの書き出しについても、避難者が壁にべったりくっ付いて室を使用することはないこと、壁際には家具等を置くことを想定し、壁から概ね1mの位置に設定します。
この考えに沿えば、室の用途的に中央に家具を置くことがあり得ない場合は斜めに避難する歩行ルートでも良いということになります。しかしこの場合、将来、室の用途等が変更になると計算が成立たなくなる可能性があることを考慮する必要があります。このあたりの判断は自治体によって相違があるようです。事前に自治体によく確認することが大切です。

Q.居室避難計算を行う居室に複数の避難経路がある場合の計算方法について教えてください。
A.基本的には、その居室から到達できる全ての避難経路をその居室の「避難経路等」に含め計算する必要があります。ただし、実際の使い勝手上、人の避難に使われないような扉が設置されている場合には、その扉による避難は行わないとして計算することも可能です。
Q.階の避難開始時間の根拠となるAfloorの算入範囲について、教えてください。
A.告示の「当該階の各室及び当該階に設けられた直通階段への出口を通らなければ避難することが出来ない建築物の部分」との記載をそのまま解釈するとその階の全ての面積が対象になります。しかし、本来、Afloorとは、避難開始時間の算出において、火災が発生してからその火災を認知し避難行動を起すまでの時間とその階の面積との間に何らかの関数が存在することから定義されています。従って、通常、在室者がない室(例:PS・DS・EPS・MDF・ELV等のシャフト類、設備機械室等)については、火災が発生した情報が伝わる必要がなく、対象面積から除外できます。
Q.告示表に示されていない用途の室の積載可燃物の単位面積当たりの発熱量はどのように決定すればよいでしょうか。
A.告示表に示されている中で類似する用途を決め、その発熱量で計算することになります。
室の用途が多様化した現在では、この方法を使うと実際よりも多い煙発生量となってしまうことが少なくありません。そのため、もっと細かく分類しようとの研究・実験が進められているようです。
Q.避難安全検証法(ルートB)を用いて防煙区画を無くしたいのですが可能でしょうか。
A.可能です。ただし避難安全検証法(ルートB)で緩和できる防煙区画の最大面積は1,500㎡です。これは、煙等発生量の告示算定式が1,500㎡以下のもの(告示1441号第8条3項)と限定されているからです。1,500㎡を超える防煙区画としたい場合はルートCを用いることになります。
Q.告示表に示されていない用途である「作業室」はどのように扱えばよいのですか。
A.告示表の種類の項目が「...に類するもの」とされていることに注意してください。告示表に示されていないものは、類似の使い方の用途のものと置き換えて計算を行えばよいのです。重要なことは室名に惑わされないことです。「作業室」といっても、実際の使い方は「事務室」に近いものではありませんか?
(参考)
告示1441号第3条4項
居室の種類在館者密度(単位 人/m2)
住宅の居室0.06
住宅以外の建築物における寝室固定ベッドの場合ベッド数で床面積を除した数値
その他の場合0.16
事務室、会議室その他これらに類するもの0.125
教室0.7
百貨店又は物品販売業を営む店舗売場の部分0.5
売場に附属する通路の部分0.25
飲食室0.7
劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類する用途に供する室固定席の場合座席数を床面積で除した数値
その他の場合1.5
展示室その他これに類するもの0.5

告示1441号第3条5項

室の種類発熱量(単位 MJ/m2)
住宅の居室720
住宅以外の建築物における寝室240
事務室その他これに類するもの560
会議室その他これに類するもの160
教室400
体育館のアリーナその他これに類するもの80
博物館又は美術館の展示室その他これらに類するもの240
百貨店又は物品販売業を営む店舗その他これらに類するもの家具又は書籍売場その他これらに類するもの960
その他の部分480
飲食店その他の飲食室簡易な食堂240
その他の飲食室480
劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会室その他これらに類する用途に供する室客席部分固定席の場合400
その他の場合480
舞台部分240
自動車車庫又は自動車修理工場車室その他これに類する部分240
車路その他これに類する部分32
廊下、階段その他の通路32
玄関ホール、ロビーその他これらに類するもの劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂若しくは集会場その他これらに類する用途又は百貨店若しくは物品販売業を営む店舗その他これらに類する用途に供する建築物におけるもの160
その他のもの80
昇降機その他の建築設備の機械室160
屋上広場又はバルコニー80
倉庫その他の物品の保管の用に供する室2000
Q.店舗等で、廊下から扉なしで便所に繋がっている場合、便所部分はどのように計算すればよいのですか。
A.以下のように考えます。
・在室者の避難について:避難者は0人として考えます。便所は、常時、長時間に渡り利用する人はいないと考えられるからです。
・火災の恐れについて:非火災室となります。告示1440号「火災の発生のおそれの少ない室を定める件」第2号に便所は含まれると明記されています。
・蓄煙について:廊下部分と扉なしで連続し、特に防煙垂壁も設置されていないのであれば、廊下の一部として天井部分に蓄煙機能を期待することができます。上記、「在室者」「火災の恐れ」については廊下と便所は同じ設定ですから、便所部分は廊下部分に含めて計算を行っても差し支えないと考えられます。
ただし、避難経路等の避難者の滞留能力については、便所部分の面積は算入しないようにする必要があります。
Q.全館避難安全検証法では、煙降下時間の算定は「竪穴に煙が進入した時」とされています。では、例えば、吹抜のフロア部分が火災の発生の恐れがある店舗の売り場であるような場合、火災が発生した瞬間に竪穴に煙が侵入したことになり、煙降下時間は0分と算定されるのでしょうか。
A.告示1442号のベースとなる建築基準法施行令129条の2の2第3項3号には、「当該建築物の各階における各火災室ごとに、当該火災室において発生した火災により生じた煙又はガスが、階段の部分又は当該階の直上階以上の階の一に流入するために要する時間...」とあります。計算方法の示されていないルートCでは、この施行令を根拠に計算を進めますが、告示の場合は基本的な計算方法が示されていますのでそれに従うことになります。
しかし、ご質問のように吹抜自体が火災室であるような場合は、告示では想定されていません。従って、告示の上位に当たるこの施行令で示される解釈で計算を行えば問題ないでしょう。実際、このように解釈して計算を行った建物がいくつか建設されています。
吹抜についての解釈はほとんど実績がないため、設計者の力量が問われる部分でもあります。
Q.平屋建の物販店舗を計画しています。風除室を通って外部に通じる扉と、直接地上に通じる扉を設置します。店舗で火災が発生した場合、常識的に考えて、避難者は、店舗→風除室→外部というルートで避難するだろうと、階の煙降下時間は風除室で算定しました。すると、店舗での煙降下時間より短い時間が算定されました。火災発生元よりも、伝播先の室に煙が早く降下するというのが納得できません。現実にそうであるならば、避難者はわざわざ煙の充満した風除室には向かわず、直接地上に通じる扉の方に向かうのではないでしょうか。この場合どのように扱えばよいでしょうか。
A.ご指摘の通り、煙伝播先の風除室の煙降下時間が、煙の発生元である店舗よりも短く算定されてしまう場合があります。
告示に従うと、非火災室である風除室の煙発生量は、伝播元である店舗の「煙発生量-排煙量」で算定されます。店舗部分の煙降下時間は、基準点から1,800mmまで煙が降下するまでの時間を、一方、風除室の煙降下時間は、店舗部分で風除室の伝播ルートとなる扉の高さまでの煙降下時間+風除室内で基準点+1,800mmまで煙が降下するまでの時間を算出します。
この計算方法では、風除室が火災室に直接接しており、間に設置された扉が「その他扉」で、かつ扉高さが1,800mm以上である場合、風除室の煙降下時間は火災室である店舗よりも短く算定されます。通常、風除室は面積が非常に小さいため、計算上、瞬時で煙降下が完了することになってしまうのです。
火災発生元より伝播先の方が煙が早く降下するというのは常識的に納得がいきませんが、告示に従う以上どうしようもありません。解釈上の工夫で切り抜けるしかないのです。例えば、ご指摘のように、避難者は煙降下の早い風除室には向かわず、直接地上に通じる扉を使って避難すると想定し、階の煙降下時間の算定は店舗部分で行うことにしてはどうでしょうか。非現実的ではありますが、理不尽な解釈からは開放されるでしょう。
Q.平面的に大規模な建物の計画をしています。避難階に複数の地上への出口がある場合、煙降下時間はどこで算定すればよいでしょうか。
A.基本的には、全ての地上への出口が設置されている室において煙降下時間を算定し、最も煙降下時間が短いものと避難終了時間を比較する必要があります。
居室に地上に通じる扉が設置されている場合、その室で煙降下時間を算定すると火災室となるため煙降下時間は非常に早い結果となり、ほとんどの場合、直接地上に通じる出口を設置した火災室の煙降下時間が最短となります。しかし、他の居室の避難者が一度廊下に出た後、火災の発生している直接地上に通じる扉の設置されている室を探し、その室を通じて避難することは考えにくく、その居室の煙降下時間によって避難安全性能を検証することは不合理です。そのような場合、居室に設置された直接地上に通じる扉はその室専用の扉とみなし、階の煙降下時間算定からその居室を除外することができます。

原則:廊下1・廊下2・室A部分の煙降下時間を算定し、最も煙降下時間の短い部分と避難終了時間を比較する必要があります。
解釈:しかし、最も煙降下時間が短いと算定される室Aで出火している状態では、他の室の避難者が火災が発生している室Aに向かって避難することは考えられません。そこで、室Aに設置された地上に通じる扉は専ら室Aの専用出口とし、他の室の避難者は利用しないと考えると、階避難計算時の煙降下時間は廊下1・廊下2のうちの短い方となります。また、室Aの避難安全検証は、A室で火災が発生している状態の居室避難計算で安全性を確かめることになります。

Q.大きな平屋建ての店舗で、店舗部分だけ避難安全検証法で設計を行い他の部分は従来の仕様設計で計画したいのですが、可能ですか。
A.避難安全検証法は階ごとに適用されるため、階の一部分だけに適用することはできません。従って、店舗以外の部分についても計算を行い、告示に定める基準をクリアしていることを確かめる必要があります。
Q.小さな居室(100㎡以下)の排煙設備について、避難安全検証法の告示1436号(内装制限による排煙緩和)を適用したいのですが、1441号と併用することは可能ですか。
A.告示1436号は、仕様規程による設計の場合の緩和ですから、性能設計の告示1441号との併用は出来ません。告示1441号を用いて設計を行う場合、排煙設備の免除を受けるには、告示に定める基準(避難終了時間が煙降下時間より短いこと)をクリアしなければなりません。
(参考)
平成12年建設省告示第1436号
火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を次のように定める件

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第126条の2第1項第五号の規定に基づき、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を次のように定める。

建築基準法施行令(以下「令」という。)第126条の2第1項第五号に規定する火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分は、次に掲げるものとする。
一 次に掲げる基準に適合する排煙設備を設けた建築物の部分
 イ 令第126条の3第1項第一号から第三号まで、第七号から第十号まで及び第十二号に定める基準
 ロ 当該排焼設備は、一の防煙区画部分(令第126条の3第1項第三号に規定する防煙区画部分をいう。以下同じ。)にのみ設置されるものであること。
 ハ 排煙機を用いた排煙設備にあっては、手動始動装置を設け、当該装置のうち手で操作する部分は、壁に設ける場合においては床面から80cm以上1.5m以下の高さの位置に、天井からつり下げて設ける場合においては床面からおおむね1.8mの高さの位置に設け、かつ、見やすい方法でその使用する方法を表示すること。

二 令第112条第1項第一号に掲げる建築物の部分(令第126条の2第1項第二号及び第四号に該当するものを除く。)で、次に掲げる基準に適合するもの
イ 令第126条の3第1項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号までに掲げる基準
ロ 防煙壁(令第126条の2第1項に規定する防煙壁をいう。以下同じ。)によって区画されていること。
ハ 天井(天井のない場合においては、屋根。以下同じ。)の高さが3m以上であること。
ニ 壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしてあること。
ホ 排煙機を設けた排煙設備にあっては、当該排煙機は、1分間に500m3以上で、かつ、防煙区画部分の床面積(2以上の防煙区画部分に係る場合にあっては、それらの床面積の合計)1㎡につき1m3以上の空気を排出する能力を有するものであること。

三 次に掲げる基準に適合する排煙設備を設けた建築物の部分(天井の高さが3m以上のものに限る。)
イ 令第126条の3第1項各号(第三号中排煙口の壁における位置に関する規定を除く。)に
掲げる基準
ロ 排煙口が、床面からの高さが、2.1m以上で、かつ、天井(天井のない場合においては、屋根)の高さの1/2以上の壁の部分に設けられていること。
ハ 排煙口が、当該排煙口に係る防煙区画部分に設けられた防煙壁の下端より上方に設けられていること。
ニ 排煙口が、排煙上、有効な構造のものであること。

四 次のイからニまでのいずれかに該当する建築物の部分
イ 階数が2以下で、延べ面積が200㎡以下の住宅又は床面積の合計が200㎡以下の長屋の住戸の居室で、当該居室の床面積の1/20以上の換気上有効な窓その他の開口部を有するもの
ロ 建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第27条第2項第二号の危険物の貯蔵場又は処理場、自動車車庫、通信機械室、繊維工場その他これらに類する建築物の部分で、法令の規定に基づき、不燃性ガス消火設備又は粉末消火設備を設けたもの
ハ 高さ31m以下の建築物の部分(法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物の主たる用途に供する部分で、地階に存するものを除く。)で、室(居室を除く。次号において同じ。)にあっては(一)又は(二)に、居室にあっては(三)又は(四)に該当するもの
(一)壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でし、かつ、屋外に面する開口部以外の開口部のうち、居室又は避難の用に供する部分に面するものに法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で令第112条第14項第一号に規定する構造であるものを、それ以外のものに戸又は扉を、それぞれ設けたもの
(二)床面積が100㎡以下で、令第126条の2第1項に掲げる防煙壁により区画されたもの
(三)床面積100㎡以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で令第112条第14項第一号に規定する構造であるものによって区画され、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたもの
(四)床面積が100㎡以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ったもの
ニ高さ31mを超える建築物の床面積100㎡以下の室で、耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号の二に規定する防火設備で令第112条第14項第一号に規定する構造であるもので区画され、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたもの

附則 昭和47年建設省告示第30号、建設省告示第31号、建設省告示32号及び建設省告示第33号は、廃止する。
Q.階の扉通過時間を求める際に使用するAloadの範囲について、告示1441号第72号には、「当該直通階段への出口を通らなければ避難することができない建築物の各部分ごとの床面積」とありますが、2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説には、「当該階に設けられた直通階段への出口を通らなければ避難することができない建築物の各部分ごとの床面積」とされています。文字通り理解すると、前者は、階段ごとに着目して、その階段を利用しなければ避難できない部分の床面積となり、後者は、階全体を捉えた床面積となり意味が違ってきます。どちらが正しいのですか。
A.告示の範囲では、避難者は一様に満遍なく避難出口に向かうものとしていますので、解釈上は、「当該階に設けられた直通階段への出口を通らなければ避難することができない建築物の各部分ごとの床面積」とする方が正しいようです。しかし、この解釈だと避難設備の配置に偏りがあるような場合、現実に近い扉通過時間を表さない可能性があります。平面計画する上で直通階段の配置は、偏りのないようにしておかないと、危険な建物を設計したことになりかねませんので注意が必要です。
Q.常時開放されている開口部から排煙を考慮したところ、審査機関から第126条の3、1項6号に「排煙口には、第四号の手動開放装置若しくは煙感知器と連動する自動開放装置又は遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持し、かつ、開放時には排煙に伴い生ずる気流により閉鎖されるおそれのない構造の戸その他これに類するものを設けること」とあるので常時開放された開口部は排煙口としてみてはならないと指摘を受けました。せっかく開放されているのにわざわざ閉鎖して、開放装置を設置するなんてナンセンスだと思います。
A.ご指摘の通りです。ここで書かれている条文は排煙窓の構造基準が示されているのであって、窓がなければ何もしなくても排煙されるのでより安全だと思います。最近は法律の言葉尻だけを捉えて審査する審査者が多く見受けられます。こういった指摘にはすぐに従うのではなく粘り強く説明し、建築基準法の理念を理解してもらえるようにしましょう。
お困りの際はぜひ弊社にご相談ください。
Q.全館避難検証では、扉通過時間を求める際に、屋外出口を持つ室の面積は除外しても良いとされています。しかし、避難開始時間を求める際についてはそのような記載がありませんが、同様に除外できると考えて良いのでしょうか?
A.はい、扉通過時間算定時に除外して良いのですから、避難開始時間算定時についても除外して良いと考えるのが自然でしょう。明記はされていませんが、法の理念と照らし合わせて判断して差し支えないと考えます。
Q.写真のようなガラスサッシで間仕切りされた廊下から風除室への階煙の伝播について計算する際、内側サッシの開口は、欄間上部までとみるべきでしょうか、それとも欄間下部までとみるべきでしょうか?
A.煙降下時間の数値は、建具の高さをどう考えるかで変わってきます。
基本的には欄間部分のガラスが網入りガラスであれば防煙垂壁として扱うことができるので(※)その場合は欄間下部までを開口とします。しかし、欄間のサッシ枠が防煙基準を満たしていないといくら網入りガラスであっても防火設備にはならず、欄間上部まで開口となります。常に最悪のケースを想定して計算しなくてはなりません。場合によっては風除室を独立した室とせず廊下と一体の室として計算することもあります。
重要なことは法の理念と照らし合わせ「どうすれば煙に巻かれず安全に避難できるか」を考えることです。

(※)欄間部分の扱いについては各審査機関によって判断が分かれます。網入りガラスであれば防煙垂壁とできるところもあれば、網入りであっても垂壁とは扱えないとするところもあります。かと思えば、網入りの有無に関わらず、ガラス自体が不燃であるとして垂壁と扱える審査機関もあります。それぞれの審査機関に対し事前の協議が必要となるでしょう。
Q.自然排煙窓の大きさの決め方について、高さや面積に対する算定基準はありますか?
A.これといった算定基準はありませんが、
避難安全検証上床から1.8mを境として、上部にある部分は排煙口、下部にある部分は給気口として評価されるため、この両方を満たすような窓の大きさで、かつ天井に近い位置に設置するのが、より排煙効果が期待できると考えられます。

また、排煙窓はH500を基準に考えると価格的にも良いと考えられます。

Q.排煙効果係数A*について
A.垂壁下端と排煙開口の上端の関係性によって算定式が異なりますが、床面積と天井面積が変わらなければ結局式は同じとなる。

「2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」P67より
・有効開口部の上端が防煙垂れ壁の下端より下方(Hst<Hw)の場合

・有効開口部の上端が防煙垂れ壁の下端より上方(Hst>Hw)の場合

垂壁下端より開口上端が低いと給気しかなくなるため、友好的とは言えないでしょう。

Q.冷蔵庫の扉を防火設備としなければならないことがあるのですが、冷蔵庫の扉は分厚く、がっちりと閉まるので、防火認定が取れていても良さそうに思います。
A.冷蔵庫の扉は防火認定が取れていないのが現状です。
冷蔵庫に伝播してきた煙がその先の室に漏れていくことはほぼないと考えられますが、計算上そういった考慮はされていませんので、煙が漏れるものとして計算しなければなりません。現行の建築基準法では補いきれないところです。
Q.冷蔵庫でも審査機関によっては火災室扱いとするよう指導される場合があります。
A.冷蔵庫は基本的に告示第1440号第一号の「火災の発生のおそれの少ない室」ですので、非火災室となりますが、質問にある通り、温度・規模によって冷蔵庫でも火災室と扱うよう指導している審査機関があるようです。

(法科学鑑定研究所HPより)
燃焼には(1)可燃物(2)酸素(3)熱(点火エネルギー)が必要です。火災の原因のひとつとなる「着火」「引火」には(3)熱(点火エネルギー)が必要となりますが、常温では可燃物の酸化反応は起こらないので燃焼は起こりません。

従って、低温であるはずの冷蔵庫では燃焼が起こるまで(温度が上昇するまで)かなり時間がかかると考えられます。この考え方では冷蔵庫は温度・規模によらず非火災室と扱っても良さそうですが、法の上ではそこまで補いきれていないのが現状です。
どのように扱うか審査機関また担当者によって理解や捉え方がわかれますので確認が必要でしょう。
Q.軽量バランスシャッターは例えば幅2m高さ4mを超えるものでも手動で開放可能なものしても良いのでしょうか?
A.軽量バランスシャッターは手であけられることが前提なので大きさによらず手動で開放できるものと考えて良いでしょう。ただし、審査機関によっては手動シャッターでも大きいものは避難に使えないものとしてみるよう指導される場合がありますので注意が必要です。
Q.建設省告示1440号「火災の発生のおそれの少ない室」
に定められる建築設備の機械室とそれ以外の生産設備の機械室はどのように見分ければよいですか。
A.建築設備の機械室は
・電気室
・空調機械室
・ポンプ室
で、上記は建設省告示1440号「火災の発生のおそれの少ない室」であり、階避難検証時床面積に含めなくても良いとされています。ただし、電気室は火災室として煙伝播計算のみ行う必要があります。
上記以外のコンプレッサー室、機械室は生産設備の機械室とし、火災室として計算を行う必要があります。
Q.設備用スリーブは避難安全検証法考慮する必要があるのでしょうか?
A.設備による穴は設備関係の資材により埋まっているので、検証には考慮しなくて良いと考えられますが、審査機関によっては「穴が開いているのでそこから煙が漏れる」ことを指摘されることがあるようです。この穴が設備により埋まっているのであれば煙は漏れないと考えられますが、隙間がある場合には煙が漏れるものとして計算した方が良いでしょう。
こういったものは建具表に記載されておらず、見逃してしまいがちなので注意が必要です。
Q.天井裏に通気が考えられる場合、避難安全検証ではどのように考えますか?
A.避難安全検証法(ルートB)では、天井裏への煙伝播は考慮しないこととしています。
国土交通大臣の認定(ルートC)では、煙がもれる恐れがあるものとして計算が必要になります。
Q.審査機関より、検証法により300mmとできる根拠を問われましたが、どこに記載されていますか?
A.「2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」より
P62:「~なお「防煙垂れ壁」とは、天井面から30cm以上下方に突き出した垂れ壁~」
P307:「~天井面から30センチメートル以上下方に突出した垂れ壁~」
と記載されています。
Q.防火設備の扉の下部は隙間があっても良いのでしょうか?
A.基本的な考え方として、初期火災では足もとまですぐに煙が降りてくることはないので、差し支えないと考えられます。しかし、審査機関としては不燃扉を設置させたいとの意向があり、担当者によっては下部の隙間を指摘され、それを可とする根拠を求められることがあるようです。その場合は防火設備について国土交通大臣の認定を受けるための評価方法に示される「10mm」まで可とする項目を示すのもひとつの方法です。
Q.建物外部に屋根付きのスペース(三方開放)があり、屋内にあるものとして扱っています。建物内から一旦外部へ避難してきた人がその部分を通らなければ避難できない計画となっていますが、構わないのでしょうか?
A.建物内の人が一旦屋外に出たら屋内に戻ることは認められていません。
三方開放であっても、屋内扱いとしているのであればその部分を通らなくても避難できる通路の確保(幅1,500mm以上)が必要となります。
Q.下図のように、厨房と食堂は一体と扱われている室で、カウンターに跳ね上げ等の扉が設けられず、居室内居室である控室を通らないと避難できない場合、この避難経路(赤矢印)は計画上適切なのでしょうか?
A.無理があると考えます。
カウンターを跳ね上げ式にするなどして、青矢印方向へ避難できる経路を検討しましょう。
Q.スチールドア(SD)は簡単に防火設備にできるものなのでしょうか?
A.スチールドアはストッパーを取れば防火設備となります。
その他扉と表記があっても、防火設備に必要な性能は満たしていますので、自閉式となれば防火設備扱いとなります。(告示品)
ちなみに、LSDも防火設備にするのは簡単です。WDは木製なので防火設備にはできません。ADを防火設備にする場合は認定品になります。
Q.下図のように、階段に面してFIX窓が接している場合、煙伝播はどのように考えれば良いでしょうか?
A.階段自体が区画されている場合は窓からの煙伝播は考慮しなくても良いでしょう。
上図のように区画されていない階段に面して設置される場合は煙伝播の計算は必要だと考えられます。この場合、階段に垂壁は設置せず、階段室の天井部分も蓄煙できるものと考え、201階段室(1)の天井面積に階段室の面積をプラスして煙伝播計算を行えば良いでしょう。上図のプランでは窓は防火区画により特定防火設備の窓となっていますので、煙伝播計算の考え方は審査機関によって判断が分かれる所です。不利側としてこの窓からの煙伝播を計算しておけば間違いはないでしょう。

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避難安全検証法関連法規・その他

Q.店舗等で消防法上無窓階であれば、避難安全検証法を用いて無排煙で安全に避難可能なことを検証しても排煙設備を設置しなければならないとありますが、仕様設計で告示1436号を利用して無排煙としている室があります。避難安全検証法では厳しく評価されるのでしょうか。
A.避難安全検証法を用いた場合でも、軽微な室については消防排煙を設置しなくてもよいと判断している地域があります。また逆に、仕様設計において告示1436号により無排煙とすることを認めていない地域もあるようです。これらの判断は所轄の消防署によりますので建設予定地を管轄する消防署に相談されることをお勧めします。
Q.避難安全検証法の申請には、どんな内容を申請書に記載する必要があるのでしょうか?
A.基本的に、計算に用いた設計情報は全て記載し、審査者が確認できる状態にする必要があります。例えば、居室避難検証では、室面積、平均天井高さ、内装の種類、在室者密度、積載可燃物の発熱量、歩行速度(経路)、扉の有効寸法、避難経路等となる部分の面積、他室からの利用人数、避難経路等からの有効出口幅が必要です。これらの情報を図面やリストとして作成すると同時に、告示計算式にどういった数値を代入して、計算結果がどうなったのかを示す必要があります。審査機関によっては具体的な記載例を用意しているところもありますので、まずは相談されてはいかがでしょうか。

※参考「実施設計に必要な資料」
Q.避難安全検証法を利用して設計を行いたいのですが、よい解説書はありませんか?
A.避難安全検証法を解説した書籍は、「2001年度版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」という書籍が井上書院より発売されています。(「財団法人日本建築センター」で販売)
また、NBCでは2005年12月実務に即した解説書を出版しご好評をいただいております。
「避難安全検証法設計実務ハンドブック」(清文社)ISBN4-433-26355-9 本体価格3,500円
※現在絶版。一般書店での取扱いはありませんが、在庫を用意しておりますので、どうぞお問合せください。
Q.「2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」とはどんなものですか?一般の書店には置いていないのですか?
A.ご質問の書籍(通称:オレンジ本)は避難安全検証法の概要、計算手順、および適用事例を解説した本です。日本建築センター主催講習会のテキストとしても使われています。一般の書店では販売されていません。一般財団法人日本建築センター事務所(直販)の他、東京都建築士会、大阪府建築家協同組合で取り扱いがあります。
Q.告示の定める「火災の発生のおそれの少ない室」(非火災室)とはどのような室ですか。
A.告示1440号「火災の発生のおそれの少ない室を定める件」では、基本的に、燃えるものが置かれない用途として利用され、内装が準不燃以上のものとされています。不燃性の物品を保管する室については、告示1434号に定められています。詳細を示します。

不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途を定める件
建築基準法施行令第百九条の五及び第百三十六条の二の二に規定する不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途は、次に掲げるものとする。
一 スケート場、水泳場、スポーツの練習場その他これらに類する運動施設
二 不燃性の物品を取り扱う荷捌き場その他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途
三 畜舎、堆肥舎並びに水産物の増殖場及び養殖場
Q.煙降下時間を算定する時、Hroomは「平均天井高さ」とあります。なぜ平均天井高さなのですか。またどのように算定すればよいのでしょうか。
A.平均天井高さを利用する理由は蓄煙体積を求めるために利用するからで、限界煙層高さまでの体積を求め、煙発生量・排煙容量から煙降下時間を求めます。
平均天井高さの求め方は、下図のようにします。
Q.階煙降下時間で火災室以外の室の煙発生量の算定を行う場合、火災室から漏れ出す煙量に応じて煙発生量を算定しますが、火災室と当該室を遮る壁の仕様に「準耐火構造の壁又は不燃材料で覆われた壁」とあります。準耐火構造の壁とは具体的にどのような壁ですか。
A.準耐火構造とは、耐火構造に準ずる耐火性能を有する構造で、火災により容易に延焼せず、又、火災に対して一定時間耐える性能を有するものです。
間仕切壁で具体的な仕様は、
 1)厚さ15mm以上の石膏ボード
 2)厚さ12mm以上の石膏ボード+厚さ9mm以上の石膏ボード(2枚張り)
 3)厚さ12mm以上の石膏ボード+厚さ9mm以上の難燃合板
 4)厚さ7mm以上の石膏ボード+厚さ8mm以上の石膏プラスター塗り
 5)厚さ12mm以上の強化石膏ボード(ガラス網入り等)
となります。
平成12年5月26日 建設省告示第1380号
 
耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の主要構造部の構造方法を定める件
 
建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第115条の2の2第1項第一号の規定に基づき、耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の主要構造部の構造方法を次のように定める。
第1壁の構造方法は、次に定めるもの(第一号ロ及び第三号ロに定める構造方法にあっては、防火被覆の取合いの部分、目地の部分その他これらに類する部分(以下「取合い等の部分」という。)を、当該取合い等の部分の裏面に当て木を設ける等当該建築物の内部への炎の侵入を有効に防止することができる構造とするものに限る。)とする。
 建築基準法施行令(以下「令」という。)第115条の2の2第1項第一号イ及びロに掲げる技術的基準に適合する耐力壁である間仕切壁の構造方法にあっては、次に定めるものとする。
  耐火構造(耐力壁である間仕切壁に係るものに限る。)とすること。
  間柱及び下地を木材又は鉄材で造り、かつ、その両側にそれぞれ次の(1)から(5)までのいずれかに該当する防火被覆が設けられたものとすること。
   (1)厚さが12ミリメートル以上のせっこうボード(強化せっこうボードを含む。以下同じ。)の上に厚さが12ミリメートル以上のせっこうボードを張ったもの
   (2)厚さが8ミリメートル以上のスラグせっこう系セメント板の上に厚さが12ミリメートル以上のせっこうボードを張ったもの
   (3)厚さが16ミリメートル以上の強化せっこうボード
   (4)厚さが12ミリメートル以上の強化せっこうボードの上に厚さが9ミリメートル以上のせっこうボード又は難燃合板を張ったもの
   (5)厚さが9ミリメートル以上のせっこうボード又は難燃合板の上に厚さが12ミリメートル以上の強化せっこうボードを張ったもの
 令第115条の2の2第1項第一号ロに掲げる技術的基準に適合する非耐力壁である間仕切壁の構造方法にあっては、次に定めるものとする。
  耐火構造とすること。
  前号ロに定める構造とすること。
~ 略 ~
Q.ある計画に避難安全検証法(ルートB)を利用しようしたところ、いろんな人から「ルートBは制約が多く思ったほど効果が出ないのでやめたほうがよい」「どうせ性能設計を行うならルートCを使う方が自由に設計できる」と言われました。ルートBはそんなに制約が多く使えないのでしょうか。
A.避難安全検証法(ルートB)は、確かに、ルートCと比べ、制約が多いかもしれません。しかし、ルートBでも十分にコストダウン効果は期待できます。実際に、店舗・事務所などでは、排煙装置・防煙垂壁・歩行距離・出口幅・階段幅等の緩和を目的としてルートBの利用が急増しています。また、ルートBはルートCと違い、建築主事が確認できるため審査期間が短く、書類手続きも簡単です。工事中の変更についても変更申請を提出するだけで済み、店舗等設計変更が多い物件でも利用しやすいのです。
しかし、同一物件に対する性能設計であるにも関わらず「ルートCならOK」「ルートBならNG」とされるのはおかしなことです。ルートBでNGなものは、ルートCでもNGとされるべきです。ルートCは、ルートBでは想定してない形態の物件を、より高度な手技で検証するための方法であるべきだと考えます。

こちらもぜひご一読ください「ルートCの高度な技法をルートBにも活かし、真に安全な建物作りをサポート」

Q.避難安全検証法は、どのような用途に有効で、どのような工夫が必要ですか。
A.一概にはいえません。どんな用途に適用したいのか、何を緩和して設計を行いたいのかによって変わってきます。
NBCでは、用途毎にその適用と緩和事項・注意点についてまとめています。こちらのページを参考にしてください。

こちらもぜひご一読ください「基本設計プランを見直して建築コスト削減」

Q.避難安全検証法(性能設計)を適用する際、どのような点に注意して設計を進めればよいでしょうか。
A.一般的な工夫をご紹介します。
1) 面積の小さな居室は、排煙装置が設けやすい配置にする
 居室避難安全検証がクリアしにくい面積の小さな居室は可能な限り外壁面に配置し、自然排煙装置を設置できるようにしておきます。
2) 居室用途を吟味する
 計算に用いる告示1441号1442号にはあまり詳しい用途が示されておらず「類する用途」として計算する必要があります。実際の使用状況を十分に考え最適な「類する用途」を設定しましょう。
3) 告示1436号は併用できない
 告示1441号・1442号は、全ての居室で計算により安全に避難できることを検証することが求められますので、告示1436号の「内装制限による排煙緩和」は併用できません。
4) 避難経路には煙が伝播しにくいようにする
 建具の性能を防火扉・一号扉・二号扉とすることによって、避難経路には煙が伝播しにくように工夫しましょう。
5) 均一に避難できるようにする
 直通階段(階の出口)・地上への出口は一方に偏らないよう、建物平面に対しバランスよく配置しましょう。
6) 直通階段のひとつは、直接地上に避難できるようにする
 上階や下階からの避難者が同じ階段で合流することが考えられる場合、避難階の面積は、その上下の階の面積も含めて計算しなくてはいけません。それを避けるために、避難階から独立して直接地上に避難できるようにしましょう。
7) 火災室を通っての避難は行わないようにする
 階避難計算の煙降下時間は、階の出口のある室で算定するため、そこが火災室になっていると、非常に短い時間となってしまいます。設計の工夫で煙降下時間を長くすることは難しいので、階の出口は火災室とならないようにしましょう。

こちらもぜひご一読ください「意匠設計者が知っておくべき避難安全検証法活用のポイント」

Q.物販店舗で避難安全検証法(性能設計)を採用すると、どのようなメリット・デメリットがありますか。
A.一般的に、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。
メリット
1)防煙垂壁が削減できる
2)排煙装置を削減できる
3)直通階段までの歩行距離が緩和される
4)階段への出口幅が緩和される
5)屋外までの歩行距離(全館・平屋建ての階避難)
デメリット
1)テナント用途変更の場合、再計算が必要
2)設計時点で、小さな居室での計算結果が微妙で、施主要望を優先すると検証がクリアできない場合がある。
3)自治体によっては消防法による排煙設備の設置が緩和されず、排煙装置を中止するために消防法による有窓階にする必要がある。
以上のように、仕様設計に比べて設計上の制約がありますが、トータルで判断するとメリットの方が大きく、性能設計を用いた店舗設計は増えつつあります。

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Q.避難安全検証を用いて設計を行い、確認申請書を提出しようと行政に相談に行ったところ、実績が無いため審査は受付られず、民間の確認機関を利用するようにと言われました。どうしたらよいのですか?
A.避難安全検証法の施行から16年以上になりますが、まだまだ利用度は低い状態です。一般の意匠設計者にとってなじみがなく面倒な方法だからでしょう。また、告示の解釈もまちまちで、建築と消防のすり合わせもできていない部分があり調整がたいへんであることも事実です。
まだ様子を見ている設計者が多い状況であると思われますが、今後建築基準法は性能設計化が進む中で、いつまでも仕様設計に留まっていると建て主の要望する設計は出来なくなっていきます。
性能設計を利用したいが判らない。計算が面倒で設計時間がかかってしまう。工事費を抑えるために性能設計を利用したい。そんな設計者・施工者の方々のためにNBCでは、性能設計(ルートB)での性能設計講習・設計相談・設計支援・申請協力を行っています。詳しくは防災設計コンサルティングのページをご覧下さい。
Q.倉庫を改造して店舗にする場合、避難安全検証を用いると、どのような利点がありますか。
A.倉庫を店舗に用途変更しようとすると、以下のような問題が生じると考えられます。
・間仕切り壁を設置することによって避難距離が確保できなくなる
・倉庫内で作業を行わず非居室扱いで設計されていたため避難距離が確保できない。
・告示緩和で排煙装置を設けていなかったが、新たに自然排煙のための開口や機械排煙装置を設けるスペースが確保できない。
・店舗から屋外への出口を広く設置しようとすると構造に影響が出てしまい建物全体に及ぼす影響が大きい。
避難安全検証法を用いると、これらの問題が緩和できる可能性があります。ぜひご検討ください。

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Q.大型の物流センターを計画しています。自動ラインに作業者が何十名も張り付いて作業するピッキング室の取扱いについて、行政に確認したところ、この室は作業場なので倉庫部分とは言えず、避難距離の確保と、排煙装置の設置が必要との指摘を受けました。ところが、ピッキングラインがあるため避難距離の確保が難しく、また面積が非常に大きいので自然排煙で排煙を確保することはあまり現実的ではありません。かといって機械排煙装置はコスト上設置したくありません。避難安全検証法を用いることで解決できますか。
A.可能です。物流センターのように天井の高い建物では、内部の煙発生量が大きな室でも十分な煙降下時間を確保できる蓄煙容量がありますので、避難時間のかかるものであっても無排煙で計画できる可能性があります。但し、仕様設計(ルートA)の場合、告示緩和等で無排煙にできた居室であっても計算により安全に避難できることを確かめる必要があります。

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Q.避難安全検証法(ルートB)を用いて設計を行うと、消防設備の設置免除は受けられるのですか。
A.現状法規では避難安全検証法(ルートB)を用いて設計を行った場合でも、消防設備は消防法の定める基準に従って設置する必要があります。
Q.特定防火設備と防火設備の違いがわかりません。
A.特定防火設備とは従前の甲種防火戸に相当します。防火設備とは従前の乙種防火戸に相当します。
防火設備の構造は平成12年建設省告示1360号に示されます。

平成12年建設省告示1360号 防火設備の構造方法を定める件
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二ロの規定に基づき、防火設備の構造方法を次のように定める。
第一 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百九条の二に定める技術的基準に適合する防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
 一 建築基準法施行令第百十四条第五項において準用する建築基準法施行令第百十二条第十六項に規定する構造とすること。
 二 次のイからチまでのいずれかに該当する構造とすること。
  イ 鉄製で鉄板の厚さが〇・八ミリメートル以上一・五ミリメートル未満のもの
  ロ 鉄骨コンクリート製又は鉄筋コンクリート製で厚さが三・五センチメートル未満のもの
  ハ 土蔵造の戸で厚さが十五センチメートル未満のもの
  ニ 鉄及び網入ガラスで造られたもの
ホ 骨組を防火塗料を塗布した木材製とし、屋内面に厚さが一・二センチメートル以上の木毛セメント板又は厚さが〇・九センチメートル以上のせっこうボードを張り、屋外面に亜鉛鉄板を張ったもの
 三 前号イ又はニに該当するものは、周囲の部分(防火戸から内側に十五センチメートル以内の間に設けられた建具がある場合においては、その建具を含む。)が不燃材料で造られた開口部に取り付けなければならない。
 四 開口面積が〇・五平方メートル以内の開口部に設ける戸で、防火塗料を塗布した木材及び網入りガラスで造られたもの
第二 第一に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。
附則 この告示は、平成十二年六月一日から施行する。
Q.告示で示される令112条第14項第一号・二号に適合する扉とはどのような扉ですか。また「その他扉」とは、その他全ての扉のことをいうのですか。
A.特定防火扉とは従前の甲種防火戸で、一号扉は防煙性能が無いもの、二号扉とは防煙性能があるもに相当します。「その他扉」とは、一号、二号に相当しない扉全てのことを指します。
特定防火設備の構造は平成12年建設省告示1369号に示されます。
また、一号扉の構造は平成12年建設省告示1360号、二号扉の構造は平成12年建設省告示2564号に示されます。
平成12年建設省告示1369号
 
特定防火設備の構造方法を定める件
 
建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百十二条第一項の規定に基づき、特定防火設備の構造方法を次のように定める。
第一通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間加熱面以外の面に火炎を出さない防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
 骨組を鉄製とし、両面にそれぞれ厚さが〇・五ミリメートル以上の鉄板を張った防火戸とすること。
 鉄製で鉄板の厚さが一・五ミリメートル以上の防火戸又は防火ダンパーとすること。
 前二号に該当する防火設備は、周囲の部分(防火戸から内側に十五センチメートル以内の間に設けららた建具がある場合においては、その建具を含む。)が不燃材料で造られた開口部に取り付けなければならない。
 鉄骨コンクリート製又は鉄筋コンクリート製で厚さが三・五センチメートル以上の戸とすること。
 土蔵造で厚さが十五センチメートル以上の防火戸とすること。
 建築基準法施行令第百九条第二項に規定する防火設備とみなされる外壁、そで壁、塀その他これらに類するものにあっては、防火構造とすること。
 開口面積が百平方センチメートル以内の換気孔に設ける鉄板、モルタル板その他これらに類する材料で造られた防火覆い又は地面からの高さが一メートル以下の換気孔に設ける網目二ミリメートル以下の金網とすること。
第二第一(第六号及び第七号を除く。)に定めるもののほか、防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当りを設ける等閉鎖した際にすき間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。
附則1この告示は、平成十二年六月一日から施行する。
 2平成二年建設省告示第千百二十五号は、廃止する。
 
平成12年建設省告示1371号
 
防火区画に用いる遮煙性能を有する防火設備の構造方法を定める件
 
建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百十二条第十四項第二号、第百二十六条の二第二項及び第百四十五条第一項第二号の規定に基づき、防火区画に用いる遮煙性能を有する防火設備の構造方法を次のように定める。
建築基準法施行令(以下「令」という。)第百十二条第十四項第二号に掲げる要件を満たす防火設備又は令第百四十五条第一項第二号に掲げる要件を満たす防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
 昭和四十八年建設省告示第二千五百六十三号第一に定める構造方法
 防火戸が枠又は他の防火設備と接する部分が相じやくり、又は定規縁若しくは戸当りを設けたもの等閉鎖した際にすき間が生じない構造で、かつ、防火設備の取付金物が、取付部分が閉鎖した際に露出しないように取り付けられたもの(シャッターにあつては、内のり幅が五メートル以下で、別記に規定する遮煙性能試験に合格したもの又はシャッターに近接する位置に網入りガラスその他法第二条第九号の二ロに規定する防火設備を固定して併設したもので、内のり幅が八メートル以下のものに限る。)とすること。
令第百十二条第十四項第一号イ及び第二号ロに掲げる要件を満たす防火設備の構造方法は、次に定めるものとする。
 昭和四十八年建設省告示第二千五百六十三号第三に定める構造方法
 前号ロに定める構造方法
附則この告示は、平成十二年六月一日から施行する。
Q.平屋建て3,000㎡の店舗を避難安全検証法を用い、排煙設備を中止しようとしたところ、消防署で「消防用の排煙設備が必要です。」といわれました。建築基準法では避難安全検証法を用いれば無排煙にできるようなっていますが、消防法で排煙設備を要求されたのでは全く意味がありません。どのように考えればよいのですか。
A.これには十分な検討が必要です。
まず、消防法で排煙設備の設置を求められる防火対象物は以下の表のようになります。
令別表第1項目防火対象物下記条件の場合設置
(1)劇場等舞台部床面積 ≧ 500㎡
集会場等
(2)キャバレー等地階又は無窓階床面積 ≧ 1,000㎡
遊技場等
性風俗関連特殊営業店舗等
(3)料理店等 
飲食店
(4) 百貨店等地階又は無窓階床面積 ≧ 1,000㎡
(5)旅館等 
共同住宅等
(6)病院等
福祉施設等
特殊学校等
(7) 学校等
(8) 図書館等
(9)蒸気浴場等
一般浴場等
(10) 車両停車場地階又は無窓階床面積 ≧ 1,000㎡
(11) 神社等 
(12)工場等
スタジオ等
(13)車庫等地階又は無窓階床面積 ≧ 1,000㎡
特殊収納庫 
(14) 倉庫 
(15) 前各号以外 
(16)特定用途の存する複合 
イ以外の複合用途 
(16の2) 地下街延床面積 ≧ 1,000㎡
(16の3) 準地下街 
(17) 文化財 
(18) アーケード 

ここで、地階が設置要件になっている場合、1,000㎡を超える建物は地階を避難安全検証法により無排煙にすることは不可能で、消防法の排煙設備を設置するか、床面積の1/50以上の排煙上有効な窓をドライエリア等を作り確保する必要があります。
次に、1,000㎡を超える地上階に関しては、無窓階の判定を行い有窓階であれば、排煙設備は設置不要ということになります。御質問の方の場合は、有窓階として消防排煙の設置免除をすることになります。
その他緩和事項としては、

(1)消防活動上支障がない部分(消防法施行令28条3項)
 3第一項各号に掲げる防火対象物又はその部分のうち、排煙上有効な窓等の開口部が設けられている部分その他の消火活動上支障がないものとして総務省令で定める部分には、同項の規定にかかわらず、排煙設備を設置しないことができる。
(2)直接外気に開放されている部分(消防法施行規則29条1項)
 次のイ及びロに定めるところにより直接外気に開放されている部分
  次条第一号イからハまでの規定の例により直接外気に接する開口部(常時開放されているものに限る。ロにおいて同じ。)が設けられていること。
  直接外気に接する開口部の面積の合計は、の例によるものであること。
(3)固定式の特殊消火設備が設置されている部分(消防法施行規則29条2項)
 令別表第一に掲げる防火対象物又はその部分(主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供する部分等に限る。)のうち、令第十三条第一項 の表の上欄に掲げる部分、室等の用途に応じ、当該下欄に掲げる消火設備(移動式のものを除く。)が設置されている部分
(4)消防活動上支障を生ずる恐れがないものとして消防庁長官が定める部分(消防法施行規則29条3項)
 前二号に掲げるもののほか、防火対象物又はその部分の位置、構造及び設備の状況並びに使用状況から判断して、煙の熱及び成分により消防隊の消火活動上支障を生ずるおそれがないものとして消防庁長官が定める部分
(5)既存防火対象物(S50,7.10 消防安77)

があります。
ですから、上記の表で設置要件が定められており1,000㎡を超える建物で無窓階である場合、避難安全検証法を用いても完全な無排煙は実現できないと考えた方がよいと思われます。但し、消防法の扱いは所轄の消防署によって若干の違いがありますので、設計者だけで判断せず、必ず所轄消防と打合せ確認するようにしてください。御質問にあるような無層階の店舗でも避難安全検証法によって、無排煙で設計を行った例があるようです。

消防法施行規則(排煙設備に関する基準の細目)
第三十条 排煙設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。
排煙口は、次のイからホまでに定めるところによること。
 間仕切壁、天井面から五十センチメートル(令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物にあつては、八十センチメートル)以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上の煙の流動を妨げる効力のあるもので、不燃材料で造り、又は覆われたもの(以下この条において「防煙壁」という。)によつて、床面積五百平方メートル(令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物にあつては、三百平方メートル)以下に区画された部分(以下この条において「防煙区画」という。)ごとに、一以上を設けること。ただし、給気口(給気用の風道に接続されているものに限る。)が設けられている防煙区画であつて、当該給気口からの給気により煙を有効に排除することができる場合には、この限りでない。
 防煙区画の各部分から一の排煙口までの水平距離が三十メートル以下となるように設けること。
 天井又は壁(防煙壁の下端より上部であつて、床面からの高さが天井の高さの二分の一以上の部分に限る。)に設けること。
 排煙用の風道に接続され、又は直接外気に接していること。
 排煙口の構造は、次に定めるところによること。
  (イ)当該排煙口から排煙している場合において、排煙に伴い生ずる気流により閉鎖するおそれのないものであること。
  (ロ)排煙用の風道に接続されているものにあつては、当該排煙口から排煙しているとき以外は閉鎖状態にあり、排煙上及び保安上必要な気密性を保持できるものであること。
給気口は、次のイからニまでに定めるところによること。
 特別避難階段の附室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で消防隊の消火活動の拠点となる防煙区画(以下この条において「消火活動拠点」という。)ごとに、一以上を設けること。
 床又は壁(床面からの高さが天井の高さの二分の一未満の部分に限る。)に設けること。
 給気用の風道に接続され、又は直接外気に接していること。
 給気口の構造は、次に定めるところによること。
  (イ)当該給気口から給気している場合において、給気に伴い生ずる気流により閉鎖するおそれのないものであること。
  (ロ)給気用の風道に接続されているものにあつては、当該給気口から給気しているとき以外は閉鎖状態にあり、給気上及び保安上必要な気密性を保持できるものであること。
風道は、次のイからホまでに定めるところによること。
 排煙上又は給気上及び保安上必要な強度、容量及び気密性を有するものであること。
 排煙機又は給気機に接続されていること。
 風道内の煙の熱により、周囲への過熱、延焼等が発生するおそれのある場合にあつては、風道の断熱、可燃物との隔離等の措置を講ずること。
 風道が防煙壁を貫通する場合にあつては、排煙上支障となるすき間を生じないようにすること。
 耐火構造の壁又は床を貫通する箇所その他延焼の防止上必要な箇所にダンパーを設ける場合にあつては、次に定めるところによること。
  (イ)外部から容易に開閉することができること。
  (ロ)防火上有効な構造を有するものであること。
  (ハ)火災により風道内部の温度が著しく上昇したとき以外は、閉鎖しないこと。この場合において、自動閉鎖装置を設けたダンパーの閉鎖する温度は、二百八十度以上とすること。
  (ニ)消火活動拠点に設ける排煙口又は給気口に接続する風道には、自動閉鎖装置を設けたダンパーを設置しないこと。
起動装置は、次のイ及びロに定めるところによること。
 手動起動装置は、次に定めるところによること。
  (イ)一の防煙区画ごとに設けること。
  (ロ)当該防煙区画内を見とおすことができ、かつ、火災のとき容易に接近することができる箇所に設けること。
  (ハ)操作部は、壁に設けるものにあつては床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所、天井からつり下げて設けるものにあつては床面からの高さがおおむね一・八メートルの箇所に設けること。
  (ニ)操作部の直近の見やすい箇所に排煙設備の起動装置である旨及びその使用方法を表示すること。
 自動起動装置は、次に定めるところによること。
  (イ)自動火災報知設備の感知器の作動、閉鎖型スプリンクラーヘッドの開放又は火災感知用ヘッドの作動若しくは開放と連動して起動するものであること。
  (ロ)防災センター等に自動手動切替え装置を設けること。この場合において、手動起動装置はイの規定に適合するものであること。
排煙機及び給気機は、点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設けること。
排煙設備の性能は、次のイからハまでに定めるところによること。
 排煙機により排煙する防煙区画にあつては、当該排煙機の性能は、次の表の上欄に掲げる防煙区画の区分に応じ、同表の下欄に掲げる性能以上であること。
  防煙区画の区分 性  能
消火活動拠点 二百四十立方メートル毎分(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、三百六十立方メートル毎分)の空気を排出する性能
消火活動拠点以外の部分令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物三百立方メートル毎分(一の排煙機が二以上の防煙区画に接続されている場合にあつては、六百立方メートル毎分)の空気を排出する性能
令第二十八条第一項第二号 及び第三号 に掲げる防火対象物百二十立方メートル毎分又は当該防煙区画の床面積に一立方メートル毎分(一の排煙機が二以上の防煙区画に接続されている場合にあつては、二立方メートル毎分)を乗じて得た量のうちいずれか大なる量の空気を排出する性能
 直接外気に接する排煙口から排煙する防煙区画にあつては、当該排煙口の面積の合計は、次の表の上欄に掲げる防煙区画の区分に応じ、同表の下欄に掲げる面積以上であること。
  防煙区画の区分面  積
消火活動拠点二平方メートル(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、三平方メートル)
消火活動拠点以外の部分当該防煙区画の床面積の五十分の一となる面積
 消火活動拠点の給気は、消火活動上必要な量の空気を供給することができる性能の給気機又は面積の合計が一平方メートル(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、一・五平方メートル)以上の直接外気に接する給気口により行うこと。
電源は、第二十四条第三号の規定の例により設けること。
非常電源は、第十二条第一項第四号の規定の例により設けること。
操作回路の配線は、第十二条第一項第五号の規定の例により設けること。
高層の建築物、大規模な建築物その他の防火対象物のうち消防庁長官が定める要件に該当するものに設置される排煙設備には、当該設備の監視、操作等を行う操作盤を、次に定めるところにより、設けること。ただし、消防庁長官が定めるところにより、当該設備の監視、操作等を行うことができ、かつ、当該防火対象物の火災発生時に必要な措置を講ずることができる場合にあつては、この限りでない。
 操作盤は、当該設備を設置している防火対象物の防災センター等に設けること。
 操作盤は、消防庁長官の定める基準に適合するものであること。
風道、排煙機、給気機及び非常電源には、第十二条第一項第九号に規定する措置を講ずること。
Q.消防法による排煙設備の構造基準について教えてください。
A.基本的には建築基準法と同等であると考えて問題ありません。しかし、地下街等につきましては、防煙区画面積が300㎡以下・防煙垂壁が天井面より80cm以上であること等の違いがありますので注意が必要です。
以下に構造基準を定めた消防法施行規則第30条を掲載しますので参考にしてください。
消防法施行規則(排煙設備に関する基準の細目)
第三十条 排煙設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。
排煙口は、次のイからホまでに定めるところによること。
 間仕切壁、天井面から五十センチメートル(令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物にあつては、八十センチメートル)以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上の煙の流動を妨げる効力のあるもので、不燃材料で造り、又は覆われたもの(以下この条において「防煙壁」という。)によつて、床面積五百平方メートル(令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物にあつては、三百平方メートル)以下に区画された部分(以下この条において「防煙区画」という。)ごとに、一以上を設けること。ただし、給気口(給気用の風道に接続されているものに限る。)が設けられている防煙区画であつて、当該給気口からの給気により煙を有効に排除することができる場合には、この限りでない。
 防煙区画の各部分から一の排煙口までの水平距離が三十メートル以下となるように設けること。
 天井又は壁(防煙壁の下端より上部であつて、床面からの高さが天井の高さの二分の一以上の部分に限る。)に設けること。
 排煙用の風道に接続され、又は直接外気に接していること。
 排煙口の構造は、次に定めるところによること。
  (イ)当該排煙口から排煙している場合において、排煙に伴い生ずる気流により閉鎖するおそれのないものであること。
  (ロ)排煙用の風道に接続されているものにあつては、当該排煙口から排煙しているとき以外は閉鎖状態にあり、排煙上及び保安上必要な気密性を保持できるものであること。
給気口は、次のイからニまでに定めるところによること。
 特別避難階段の附室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で消防隊の消火活動の拠点となる防煙区画(以下この条において「消火活動拠点」という。)ごとに、一以上を設けること。
 床又は壁(床面からの高さが天井の高さの二分の一未満の部分に限る。)に設けること。
 給気用の風道に接続され、又は直接外気に接していること。
 給気口の構造は、次に定めるところによること。
  (イ)当該給気口から給気している場合において、給気に伴い生ずる気流により閉鎖するおそれのないものであること。
  (ロ)給気用の風道に接続されているものにあつては、当該給気口から給気しているとき以外は閉鎖状態にあり、給気上及び保安上必要な気密性を保持できるものであること。
風道は、次のイからホまでに定めるところによること。
 排煙上又は給気上及び保安上必要な強度、容量及び気密性を有するものであること。
 排煙機又は給気機に接続されていること。
 風道内の煙の熱により、周囲への過熱、延焼等が発生するおそれのある場合にあつては、風道の断熱、可燃物との隔離等の措置を講ずること。
 風道が防煙壁を貫通する場合にあつては、排煙上支障となるすき間を生じないようにすること。
 耐火構造の壁又は床を貫通する箇所その他延焼の防止上必要な箇所にダンパーを設ける場合にあつては、次に定めるところによること。
  (イ)外部から容易に開閉することができること。
  (ロ)防火上有効な構造を有するものであること。
  (ハ)火災により風道内部の温度が著しく上昇したとき以外は、閉鎖しないこと。この場合において、自動閉鎖装置を設けたダンパーの閉鎖する温度は、二百八十度以上とすること。
  (ニ)消火活動拠点に設ける排煙口又は給気口に接続する風道には、自動閉鎖装置を設けたダンパーを設置しないこと。
起動装置は、次のイ及びロに定めるところによること。
 手動起動装置は、次に定めるところによること。
  (イ)一の防煙区画ごとに設けること。
  (ロ)当該防煙区画内を見とおすことができ、かつ、火災のとき容易に接近することができる箇所に設けること。
  (ハ)操作部は、壁に設けるものにあつては床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所、天井からつり下げて設けるものにあつては床面からの高さがおおむね一・八メートルの箇所に設けること。
  (ニ)操作部の直近の見やすい箇所に排煙設備の起動装置である旨及びその使用方法を表示すること。
 自動起動装置は、次に定めるところによること。
  (イ)自動火災報知設備の感知器の作動、閉鎖型スプリンクラーヘッドの開放又は火災感知用ヘッドの作動若しくは開放と連動して起動するものであること。
  (ロ)防災センター等に自動手動切替え装置を設けること。この場合において、手動起動装置はイの規定に適合するものであること。
排煙機及び給気機は、点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設けること。
排煙設備の性能は、次のイからハまでに定めるところによること。
 排煙機により排煙する防煙区画にあつては、当該排煙機の性能は、次の表の上欄に掲げる防煙区画の区分に応じ、同表の下欄に掲げる性能以上であること。
  防煙区画の区分 性  能
消火活動拠点 二百四十立方メートル毎分(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、三百六十立方メートル毎分)の空気を排出する性能
消火活動拠点以外の部分令第二十八条第一項第一号 に掲げる防火対象物三百立方メートル毎分(一の排煙機が二以上の防煙区画に接続されている場合にあつては、六百立方メートル毎分)の空気を排出する性能
令第二十八条第一項第二号 及び第三号 に掲げる防火対象物百二十立方メートル毎分又は当該防煙区画の床面積に一立方メートル毎分(一の排煙機が二以上の防煙区画に接続されている場合にあつては、二立方メートル毎分)を乗じて得た量のうちいずれか大なる量の空気を排出する性能
 直接外気に接する排煙口から排煙する防煙区画にあつては、当該排煙口の面積の合計は、次の表の上欄に掲げる防煙区画の区分に応じ、同表の下欄に掲げる面積以上であること。
  防煙区画の区分面  積
消火活動拠点二平方メートル(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、三平方メートル)
消火活動拠点以外の部分当該防煙区画の床面積の五十分の一となる面積
 消火活動拠点の給気は、消火活動上必要な量の空気を供給することができる性能の給気機又は面積の合計が一平方メートル(特別避難階段の附室と非常用エレベーターの乗降ロビーを兼用するものにあつては、一・五平方メートル)以上の直接外気に接する給気口により行うこと。
電源は、第二十四条第三号の規定の例により設けること。
非常電源は、第十二条第一項第四号の規定の例により設けること。
操作回路の配線は、第十二条第一項第五号の規定の例により設けること。
高層の建築物、大規模な建築物その他の防火対象物のうち消防庁長官が定める要件に該当するものに設置される排煙設備には、当該設備の監視、操作等を行う操作盤を、次に定めるところにより、設けること。ただし、消防庁長官が定めるところにより、当該設備の監視、操作等を行うことができ、かつ、当該防火対象物の火災発生時に必要な措置を講ずることができる場合にあつては、この限りでない。
 操作盤は、当該設備を設置している防火対象物の防災センター等に設けること。
 操作盤は、消防庁長官の定める基準に適合するものであること。
風道、排煙機、給気機及び非常電源には、第十二条第一項第九号に規定する措置を講ずること。
Q.避難安全検証法はどのような物件に適用すればよいのですか。
A.一概に「このような物件」というのではなく、避難安全検証法を用いて、設計上何を行いたいかによります。※参考「避難安全検証法の利用が効果的な建物」
多くの設計者が目標とする、防災設備の合理的な設計による工事費の減額を目標にするならば、防煙区画の拡大・排煙設備の軽減・店舗等の直通階段幅の軽減を行うことによってコストが大幅に下げられる可能性のある物件ということになります。工事費の減額は「大型の物件でなければ効果がない」ように思われますが、そんなことはありません。例えば、平屋建ての郊外型小規模店舗であってもコスト削減効果は得られます。ぜひNBCにご相談ください。
Q.避難安全検証法を用いて設計を行ったのですが、着工後プランに一部に変更が生じました。
変更確認申請を行うのですが、再度、避難安全検証法による検証計算を行う必要はありますか。
A.室用途・室面積・天井高さ・扉設置位置・扉幅・排煙装置等、避難終了時間及び煙降下時間の算定に関わる部分など、避難安全検証法の計算に影響のある変更を行った場合、再検証の必要があります。また、竣工引渡し後、建て主による変更が起こった場合であっても、再検証を行い、安全性を確認することが必要です。特に室の用途変更は、建て主が自由にできるため、注意が必要です。

こちらもぜひご一読ください「増改築の際も安心のアフターフォロー」

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避難安全検証法設計実務ハンドブックについてのご質問

Q.「コラム」の中で「告示1446号」とあるのは「告示1436号」の間違いではないですか。
A.ご指摘の通りです。「告示1446号」を「告示1436号」に改めます。
Q.P114、6行目の計算式が誤っています。7.2の前の記号は+ではなく-だと考えます。
A.ご指摘の通りです。お詫びして訂正します。
Q.「全館煙降下時間」の算定方法の説明に、誤りがあるように思われます。
A.ご指摘の通りです。お詫びして以下に修正文を示します。(太字が訂正箇所)(告示1442号第4項1号)
令第129条の2の2の第3項第三号に規定する当該火災室において発生した火災により生じた煙又はガスが階段の部分又は当該階の直上階以上の階の1に流入するために要する時間は、当該火災室から当該階の直通階段への出口を有する室又は竪穴に面する室に通ずる経路ごとの各室について次の式によって計算した時間の合計(以下「全館煙降下時間」という。)のうち最小のものとする。

この式において、ts、Aroom、Hroom、Hlim、Vs 及びVe はそれぞれ次の数値を表すものとする。

ts:全館煙降下時間(単位 分)
Aroom:当該室の床面積(単位 ㎡)
Hroom:当該室の床面の最も高い位置(以下「基準点」)からの平均天井高さ(単位 m)
Hlim:開口部の構造の種類に応じて次の表に掲げる数値(以下「限界煙層高さ」)(単位 m)

Vs:煙等発生量(単位 ㎥/分)
Ve:有効排煙量(単位 ㎥/分)

室の種類開口部の構造限界煙層高さ(単位 m)
階段室への出口を有する室 1.8
その他の室常時閉鎖式の防火設備若しくは随時閉鎖することができ、かつ煙感知器と連動する自動閉鎖装置を設けた防火設備当該室の床面から各出口の上端までの高さのうち最大のものの2分の1の高さ
 その他の構造当該室の床面から各出口の上端までの

階→全館
階段室への出口を有する室→削除
1.8→削除
その他の室→階段室、竪穴に通ずる開口部の設置される室

Q.階煙降下時間の算定室について、P200にあるように室Aが避難階にある場合ではなく、階段に通じている場合でも同様に扱うことができるのでしょうか。
A.はい、できます。同様に、階の煙降下時間の算定室から除外してもかまいません。
Q.P133「コラム」で、連続した部屋を1室として扱い、その中で積載可燃物の発熱量が違う部分がある場合、面積按分で発熱量を算定できるとありますが、可燃物密度の高い場所で火災が発生すると、実際にはたくさんの煙が発生するように思われます。按分する意味はないのではないでしょうか。
A.ご指摘の通り、燃焼という現象から捉えるとおかしなことだと思います。しかし、告示1441号の解説書である「2001年度版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説(編集:国土交通所住宅局建築指導課他)[井上書院]」P55には、面積按分を行っても良いと記載されています。告示1441号では、煙発生量を定常火源(最初から最後まで一定に燃焼する)としており、面積の小さな室では、仕様規定では告示1436号を用いて無排煙とできたところが、避難安全検証法では自然排煙を確保しても居室計算がクリアしにくいという傾向が非常に強く、何らかの理由をつけて煙発生量を減らさないと、面積の小さな室だけのためにほとんど全ての建物で避難安全検証法が利用できなくなります。実際問題は別として、救済策としているのかもしれません。
Q.「有効出口幅」について、P114では「居室の出口のうち幅が最大のものの一について、その近傍で火災が発生したことを想定し....」とありますが、同時に2ヶ所で火災が発生したり、飛び火があった場合、全ての扉の有効出口幅をBeffの計算により求めたほうが良いのではないですか。
A.性能設計では、同時2ヶ所以上での火災は想定していません。また飛び火の可能性はありますが、飛び火から火災が拡大するまでに避難を完了するように考えられています。従って、火災が発生するのはあくまで1ヵ所として考えます。
Q.「適用除外にならない避難関係規定」として「敷地内通路」があげられています。その中で「扉幅以上の幅を確保するに越したことはない」とあるのは、例えば扉幅が900mmならば900mm以上の幅の敷地内通路が確保されていればよいということでしょうか。施行令128条にある1,500mm以上の通路幅を確保しなくてもよいのですか。
A.表題の通り、敷地内通路の規定は適用除外にはならないので、施行令128条に従い幅員1,500mmを確保する必要があります。従って、本文中「扉幅以上の幅を確保するに越したことはない」としているのは、1,500mmを越える扉が設置されていることを前提としています。誤解を与える表現であったことをお詫びいたします。
Q.表題の「告示1442号」は「告示1441号」の間違いではないですか。
A.ご指摘の通りです。「告示1442号」を「告示1441号」に改めます。

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